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防犯カメラクラウドサービス導入で業務効率化!遠隔監視・データ管理をスムーズに

業務用防犯カメラの運用効率やデータ管理にお悩みではありませんか?本記事では、防犯カメラクラウドサービス導入によるコスト削減や遠隔監視といったメリット・デメリット、業務用に最適な理由を解説します。自社に合ったサービスの選び方から、おすすめのサービス、導入時の注意点まで網羅的にご紹介。この記事を読めば、クラウドサービスを活用して業務効率化とセキュリティ強化を実現する方法がわかります。

目次[非表示]

  1. 1.防犯カメラクラウドサービスとは?
    1. 1.1.クラウドサービスを利用するメリット
      1. 1.1.1.コスト削減
      2. 1.1.2.メンテナンスフリー
      3. 1.1.3.拡張性
    2. 1.2.クラウドサービスを利用するデメリット
      1. 1.2.1.インターネット環境への依存
      2. 1.2.2.セキュリティリスク
      3. 1.2.3.データ容量の制限
  2. 2.業務用防犯カメラにクラウドサービスがおすすめの理由
    1. 2.1.遠隔監視でリアルタイムな状況把握
    2. 2.2.データ管理の効率化
    3. 2.3.多拠点管理の簡素化
  3. 3.防犯カメラクラウドサービスの選び方
    1. 3.1.カメラの種類と性能
      1. 3.1.1.カメラの形状・機能
      2. 3.1.2.画質
      3. 3.1.3.視野角
      4. 3.1.4.暗視機能
    2. 3.2.ストレージ容量
    3. 3.3.セキュリティ対策
    4. 3.4.価格
  4. 4.おすすめの防犯カメラクラウドサービス
    1. 4.1.セコム (SECOM)
      1. 4.1.1.サービス概要と特徴
      2. 4.1.2.主な機能とメリット
      3. 4.1.3.料金プラン(概要)
      4. 4.1.4.こんな企業におすすめ
    2. 4.2.ALSOK (アルソック)
      1. 4.2.1.サービス概要と特徴
      2. 4.2.2.主な機能とメリット
      3. 4.2.3.料金プラン(概要)
      4. 4.2.4.こんな企業におすすめ
    3. 4.3.Safie (セーフィー)
      1. 4.3.1.サービス概要と特徴
      2. 4.3.2.主な機能とメリット
      3. 4.3.3.料金プラン(概要)
      4. 4.3.4.こんな企業におすすめ
    4. 4.4.キヤノンマーケティングジャパン
      1. 4.4.1.サービス概要と特徴
      2. 4.4.2.主な機能とメリット
      3. 4.4.3.料金プラン(概要)
      4. 4.4.4.こんな企業におすすめ
  5. 5.防犯カメラクラウドサービス導入時の注意点
    1. 5.1.インターネット環境の確認
      1. 5.1.1.回線速度と安定性
      2. 5.1.2.接続方式(有線LAN / Wi-Fi)
      3. 5.1.3.帯域幅の確保
    2. 5.2.設置場所の選定
      1. 5.2.1.監視目的の明確化と設置場所
      2. 5.2.2.電源確保と配線ルート
      3. 5.2.3.設置場所の環境(防水・防塵性能)
      4. 5.2.4.死角の確認と複数台設置
    3. 5.3.プライバシー保護
      1. 5.3.1.個人情報保護法と関連ガイドライン
      2. 5.3.2.設置目的の明確化と告知
      3. 5.3.3.従業員・顧客への説明
      4. 5.3.4.撮影範囲の配慮
      5. 5.3.5.データアクセス権限の管理
  6. 6.防犯カメラクラウドサービス導入事例
    1. 6.1.小売店
    2. 6.2.飲食店
    3. 6.3.オフィス
    4. 6.4.工場・倉庫
    5. 6.5.建設現場
  7. 7.まとめ

防犯カメラクラウドサービスとは?



防犯カメラクラウドサービスとは、防犯カメラで撮影した映像データを、インターネットを経由してクラウド上のサーバーに保存・管理するサービスのことです。従来の防犯カメラシステムでは、事業所内に設置したハードディスクレコーダー(DVR/NVR)に映像を録画するのが一般的でした。しかし、クラウドサービスを利用することで、物理的な録画機器を設置する必要がなくなり、より柔軟で効率的な映像監視・管理体制を構築できます。
特に、店舗、オフィス、工場、倉庫、建設現場など、様々なビジネスシーンで活用されており、防犯対策の強化だけでなく、業務改善や従業員の安全確保、マーケティング分析など、多岐にわたる目的で導入が進んでいます。ネットワークカメラ(IPカメラ)で撮影した高画質な映像を、いつでもどこからでも確認できる利便性が、業務用として高く評価されています。

従来のオンプレミス型(レコーダー設置型)とクラウド型の主な違いを以下の表にまとめます。

比較高億

オンプレミス型(レコーダー設置型)


クラウド型

録画場所

事業所内に設置したレコーダー(DVR/NVR)のHDD

サービス事業者が管理するクラウドサーバー

初期費用

カメラ本体に加え、高価なレコーダーが必要

カメラ本体とクラウド利用料(レコーダー不要な場合が多い)

運用保守

レコーダーのHDD交換、ファームウェア更新、故障対応などが必


サーバー側のメンテナンスは事業者が実施(利用者は基本的に不要)

遠隔アクセス

設定が複雑な場合や、別途機器が必要な場合がある

インターネット環境があれば容易にアクセス可能

拡張性

レコーダーのチャンネル数やHDD容量に制限される

カメラ台数やストレージ容量の増減が比較的容


データ消失リスク

レコーダーの故障、盗難、災害などでデータ消失の可能性

サーバー側での冗長化などにより、物理的な機器故障による消失リスクは低い(※サービスによる)


クラウドサービスを利用するメリット

防犯カメラシステムにクラウドサービスを導入することには、従来のオンプレミス型システムにはない多くのメリットがあります。コスト面、運用面、そして将来的な拡張性において、ビジネスに大きな利点をもたらします。


コスト削減

クラウドサービスを利用する最大のメリットの一つが、初期費用と運用費用の両方を削減できる点です。まず、初期費用に関して、高価な録画サーバーや大容量のハードディスクレコーダー(DVR/NVR)を購入する必要がありません。カメラ本体と、サービスによっては小規模なゲートウェイ機器のみで導入できるため、特に多拠点に展開する場合や、限られた予算でシステムを構築したい場合に大きな効果を発揮します。
さらに、運用費用についてもメリットがあります。レコーダーを設置しないため、機器の電気代がかかりません。また、レコーダーは消耗品であるハードディスクの定期的な交換や、故障時の修理・買い替え費用が発生しますが、クラウドサービスではこれらのハードウェア保守に関するコストが不要になります。録画データの確認やバックアップのために現地へ赴く必要もなくなり、管理者の人件費や交通費の削減にも繋がります。


メンテナンスフリー

従来のオンプレミス型システムでは、レコーダーの定期的なメンテナンスが不可欠でした。ハードディスクの健康状態のチェック、容量不足への対応、ファームウェアのアップデート、故障時の対応など、管理者の負担は少なくありませんでした。しかし、クラウドサービスでは、映像データを保存・管理するサーバー側のメンテナンスは、すべてサービス提供事業者が行います。利用者は、サーバーのハードウェア故障やソフトウェアアップデートについて気にする必要がなく、常に安定した状態でサービスを利用できます。
これにより、情報システム部門がない企業や、ITに詳しくない担当者でも、専門的な知識なしに高度な防犯カメラシステムを運用できるようになります。万が一、設置したカメラ本体に不具合が発生した場合でも、クラウド上の録画データには影響がないため、録画停止のリスクを最小限に抑えることができます(※カメラ本体の故障を除く)。


拡張性

ビジネスの状況は常に変化します。事業所の移転や増設、管理体制の変更などに応じて、防犯カメラシステムの構成を変更したいケースは少なくありません。クラウドサービスは、このような変化に柔軟に対応できる高い拡張性を持っています。
例えば、監視したい場所が増えた場合、カメラを追加するだけで簡単にシステムを拡張できます。従来のレコーダーのように、チャンネル数(接続できるカメラの最大数)の制限を気にする必要はありません(※契約プランによる上限はあります)。逆に、不要になったカメラを減らすことも容易です。
また、録画データの保存期間や画質を変更したい場合も、契約プランを見直すことで柔軟に対応できます。ビジネスの成長やセキュリティポリシーの変更に合わせて、ストレージ容量をスケールアップ・ダウンさせることが可能です。さらに、将来的にはAIによる画像解析機能など、新しい付加価値サービスがクラウド上で提供され、既存のシステムに追加できる可能性もあります。


クラウドサービスを利用するデメリット

多くのメリットがある一方で、防犯カメラクラウドサービスの導入には注意すべきデメリットも存在します。これらの点を理解し、対策を講じることが、安定したシステム運用には不可欠です。


インターネット環境への依存

クラウドサービスは、その名の通りインターネットを介して映像データを送受信し、保存・管理します。そのため、安定したインターネット接続環境が必須となります。設置場所のインターネット回線の速度が遅かったり、接続が不安定だったりすると、映像のリアルタイム表示に遅延が生じたり、最悪の場合、映像データがクラウドサーバーへ正常に送信されず録画が欠損する可能性があります。
また、インターネット回線自体が障害やメンテナンスで不通になった場合、リアルタイム監視やクラウドへの録画が停止してしまうリスクがあります。このリスクを軽減するため、一部のサービスではカメラ本体やゲートウェイ機器にSDカードなどのストレージを搭載し、一時的に映像を保存する「エッジ録画」機能を提供している場合がありますが、標準機能ではない場合も多いです。高画質な映像を常時クラウドにアップロードするため、相応の上り回線速度(帯域幅)とデータ通信量が必要となり、契約している回線プランによっては通信コストが増加する可能性も考慮する必要があります。



セキュリティリスク

映像データという機密性の高い情報をインターネット経由で外部のサーバーに送信・保存するため、不正アクセスやサイバー攻撃による情報漏洩のリスクはゼロではありません。サービス提供事業者がどのようなセキュリティ対策を講じているかを確認することが非常に重要です。
具体的には、通信経路(カメラからクラウドまで)がSSL/TLSなどで暗号化されているか、クラウドサーバー自体の物理的・技術的なセキュリティ対策は十分か、アクセス権限管理は適切に行われているか、第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているかなどを確認する必要があります。また、利用者側でも、推測されにくい複雑なパスワードを設定し、定期的に変更する、不要なアカウントを削除する、アクセス権限を最小限に設定するといった基本的なセキュリティ対策を徹底することが求められます。



データ容量の制限

多くの防犯カメラクラウドサービスでは、契約プランに応じて録画データの保存期間や総ストレージ容量に上限が設けられています。例えば、「7日間録画」「30日間録画」といった形で保存期間が定められており、その期間を過ぎたデータは自動的に削除されます。また、プランによっては同時に保存できる総データ容量に制限がある場合もあります。
必要な保存期間や容量は、カメラの設置台数、録画する画質(解像度やフレームレート)、録画時間(常時録画か動体検知録画か)などによって大きく変動します。自社の運用に必要な容量を事前に見積もり、適切なプランを選択しないと、いざという時に必要な映像データが残っていないという事態になりかねません。また、想定よりもデータ量が多くなり、上限を超過した場合には、古いデータから削除されるか、追加料金が発生する可能性があるため、契約内容を十分に確認しておく必要があります。


業務用防犯カメラにクラウドサービスがおすすめの理由

従来のレコーダー設置型の防犯カメラシステムと比較して、クラウドサービスを利用する形態には、特に業務用途において多くのメリットが存在します。なぜ業務用防犯カメラにクラウドサービスが適しているのか、その具体的な理由を詳しく解説します。


遠隔監視でリアルタイムな状況把握

クラウドサービスの最大の利点の一つは、インターネット環境があれば、いつでもどこからでも現場の状況をリアルタイムで確認できる点です。これにより、ビジネスにおける様々な課題解決や効率化に繋がります。
例えば、経営者や管理者がオフィスにいなくても、出張先や自宅からスマートフォンやタブレット、PCを使って、店舗やオフィスの様子をライブ映像で確認できます。これにより、迅速な意思決定や、緊急時の状況把握、的確な指示出しが可能になります。
複数店舗や支店、倉庫などを運営している場合、各拠点に足を運ぶことなく、本部から一括して状況を監視できるため、移動時間やコストの大幅な削減に繋がります。また、従業員の勤務状況の確認や、不正行為の抑止、安全管理体制の強化にも役立ちます。
顧客とのトラブルが発生した場合や、事故が起きた際にも、遠隔から即座に映像を確認し、客観的な事実に基づいてスムーズに対応することが可能です。これにより、顧客満足度の向上や、問題の早期解決が期待できます。


データ管理の効率化

従来の防犯カメラシステムでは、録画データを保存するために、設置場所にレコーダー(録画機)を設置する必要がありました。しかし、クラウドサービスを利用する場合、映像データはインターネットを通じてクラウドサーバーに直接、自動的に保存されます。
これにより、以下のようなデータ管理における効率化が実現します。


● レコーダー設置・管理の不要化

物理的なレコーダーが不要になるため、設置スペースの確保や、機器の購入費用、定期的なメンテナンス、故障時の対応といった管理の手間とコストから解放されます。また、レコーダー本体の盗難や破壊によるデータ消失のリスクも回避できます。


● データバックアップの自動化

録画データはクラウド上に自動で保存・バックアップされるため、面倒なバックアップ作業が不要となり、データ消失のリスクを大幅に低減できます。災害発生時など、万が一、現地のカメラが破損した場合でも、クラウド上にデータが残っているため安心です。


● 容易なデータ検索・再生・共有

保存された録画データは、日付や時間、イベント(動体検知など)を指定して簡単に検索・再生できます。必要な映像をすぐに探し出し、PCなどにダウンロードしたり、関係者間で安全に共有したりすることも可能です。


● 柔軟なストレージ容量

オンプレミス型のようにHDDの容量不足を心配したり、交換作業を行ったりする必要がありません。必要に応じてストレージ容量をプラン変更などで柔軟に増減させることができます。

以下の表は、データ管理におけるクラウド型とオンプレミス型の主な違いをまとめたものです。


比較項目

クラウド型防犯カメラサービス

オンプレミス型 (レコーダー設置)


録画データ保存場所

クラウドサーバ

現地設置のレコーダー (HDD/SSD)

レコーダー管理

不要

必要 (設置スペース、電源、熱対策、故障対応、定期メンテナンス)

データバックアップ

自動 (サービスによる)

手動または別途設定が必要

データ検索・再生

専用アプリやWebブラウザで容易

レコーダー本体または専用ソフトで操作

ストレージ拡張性

容易 (プラン変更など)

HDD交換やレコーダー増設が必要

データ消失リスク

低い (データセンターでの冗長化・分散保管)

比較的高い (機器故障、盗難、破壊、災害による影響)


多拠点管理の簡素化

複数の店舗、支店、営業所、工場、倉庫などを運営している企業にとって、各拠点の防犯カメラシステムを一元的に管理できることは、クラウドサービス導入の大きなメリットです。
従来のオンプレミス型では、拠点ごとにレコーダーやネットワーク設定が必要となり、管理が煩雑になりがちでした。それぞれのレコーダーに個別にアクセスする必要があり、システム構成や操作方法が拠点によって異なるケースも少なくありませんでした。
しかし、クラウドサービスを利用すれば、本部や管理部門のPCやスマートフォンから、すべての拠点のカメラ映像を一覧で確認したり、設定を変更したりすることが可能になります。統一されたインターフェースで直感的に操作できるため、システム管理者の負担を大幅に軽減できます。
具体的には、以下のようなメリットがあります。


● 全拠点の状況をリアルタイムで比較・把握し、経営判断や業務改善に活かす。
● 各拠点に管理担当者を置く必要がなくなり、人件費や管理コストを削減できる。
● カメラの追加や設定変更なども、遠隔から一括で行えるため、迅速かつ効率的な運用が可能。
● システム障害発生時も、問題の切り分けや対応が容易になる。
● 全社的に統一されたセキュリティポリシーに基づいたカメラシステムの運用・管理を実現できる。


このように、クラウド防犯カメラサービスは、遠隔監視の利便性、データ管理の効率化、そして多拠点管理の簡素化といった点で、業務用として非常に有効なソリューションと言えます。


防犯カメラクラウドサービスの選び方

業務用防犯カメラにクラウドサービスを導入する際には、自社の目的や環境に適したサービスを選ぶことが重要です。ここでは、最適なクラウドサービスを選ぶための具体的なポイントを解説します。 


カメラの種類と性能

クラウドサービスを利用する場合でも、記録・監視の要となるのは防犯カメラ本体です。設置場所の環境や監視したい対象に合わせて、適切な種類と性能のカメラを選びましょう



カメラの形状・機能

業務用防犯カメラには様々な形状や機能を持つものがあります。代表的な種類とその特徴を理解し、設置場所に最適なものを選びましょう。


カメラの種類

主な特徴

適した設置場所・用途

ドーム型カメラ

・威圧感が少ない丸い形状
・レンズの向きが分かりにくい
・天井設置が基本

店舗、オフィス、マンションのエントランスなど、景観を損ねたくない屋内・軒下


バレット型カメラ

・存在感があり威嚇効果が高い筒状の形状
・壁面設置が基本
・防水・防塵性能が高いモデルが多い

駐車場、工場、倉庫、建物の外周など、屋外や広範囲の監視

PTZカメラ

・遠隔操作でカメラの向き(パン・チルト)やズームを調整可能
・広範囲を1台でカバーできる
・高価なモデルが多い

広大な敷地を持つ工場、倉庫、イベント会場など、動く対象を追跡したい場合

ボックス型カメラ

・レンズ交換が可能で、特定の画角に調整しやすい
・ハウジング(保護ケース)が必要な場合が多い

特定の箇所を精密に監視したい場合(レジ周り、重要機器など)

また、屋外設置の場合は、雨風や塵からカメラを保護する防水・防塵性能が不可欠です。国際規格であるIP等級(例:IP66)を確認しましょう。破壊行為が想定される場所には、耐衝撃性能(IK等級)の高いカメラを選ぶことも有効です。


画質

記録された映像の鮮明さは、万が一の際の証拠能力や状況把握の精度に直結します。画質は主に「解像度」と「フレームレート」で決まります。
解像度は映像のきめ細やかさを示す指標で、画素数が多いほど鮮明になります。業務用としては、最低でもHD(ハイビジョン、1280×720ピクセル)、できればフルHD(1920×1080ピクセル)以上の解像度を持つカメラを選びたいところです。近年ではさらに高画質な4K対応カメラも登場しています。


解像度

画素数 
特徴

HD (720p)


約100万画素 (1280×720)

標準的な画質。最低限の状況把握は可能。

フルHD (1080p)

約200万画素 (1920×1080)

現在主流の高画質。人物の顔や車のナンバーなども比較的鮮明に確認可能。

4K (2160p)

約800万画素 (3840×2160)

非常に高精細な画質。細部まで拡大しても鮮明。データ容量が大きくなる点に注意。


フレームレート(fps)は、1秒間に何枚の静止画で動画を構成するかを示す値です。数値が高いほど滑らかな映像になります。標準的には15fps程度あれば状況把握は可能ですが、動きの速い対象を捉える必要がある場合や、より自然な映像を求める場合は30fps対応のカメラが推奨されます。ただし、フレームレートが高いほどデータ容量は大きくなります。


視野角

視野角は、カメラが一度に映し出すことができる範囲の広さを示します。設置場所や監視したい範囲に合わせて適切な視野角のカメラを選びましょう。


● 広角レンズ

広い範囲を一度に見渡せますが、細部は小さく映ります。店舗全体や駐車場全体の監視に適しています。


● 標準レンズ

人間の視野に近い自然な画角です。


● 望遠レンズ

狭い範囲を大きく映し出すことができます。レジ周りや出入り口など、特定の場所を詳細に監視したい場合に適しています。


機種によっては、設置時に画角を調整できる可変焦点(バリフォーカル)レンズを搭載しているものもあります。設置環境に合わせて最適な画角に微調整したい場合に便利です。


暗視機能

夜間や照明の少ない場所での監視には、暗視機能が必須です。多くの防犯カメラには、赤外線LEDを照射して暗闇でも撮影できる赤外線暗視機能が搭載されています。選定時には以下の点を確認しましょう。


● 赤外線照射距離

どれくらい遠くまで暗視撮影が可能かを示します。監視したい範囲全体をカバーできる照射距離を持つカメラを選びましょう。


● 最低被写体照度(ルクス)

どれだけ暗い環境まで撮影できるかを示す指標です。数値が小さいほど、より暗い場所での撮影が可能です。スターライト機能など、わずかな光でもカラー撮影が可能な高性能モデルもあります。


● 映像の種類

一般的な赤外線暗視は白黒映像になりますが、最近では低照度下でもカラーで撮影できる機能を持つカメラも増えています。カラー映像の方が、人物の服装や車の色などを特定しやすくなります。


ストレージ容量

クラウドサービスの大きな特徴は、映像データをクラウド上のサーバーに保存することです。どのくらいの期間、どのくらいの画質の映像を保存したいかによって、必要なストレージ容量が決まります。
一般的に、クラウドサービスの料金プランは、契約するストレージ容量や保存期間によって変動します。必要な容量は、以下の要素によって大きく左右されます。


● 録画時間

24時間常時録画か、動きがあった時だけ録画する動体検知録画か。


● 画質(解像度・フレームレート)

高画質・高フレームレートほどデータ容量は大きくなります。


● カメラの台数

接続するカメラの台数が増えれば、必要な総容量も増えます。


● 保存期間

7日間、14日間、30日間、90日間など、サービスによって選択できる保存期間が異なります。長期間保存したい場合は、より大きな容量が必要です。


自社の運用に必要な録画期間とデータ量を事前に試算し、過不足のないストレージ容量を選ぶことがコスト最適化につながります。多くのサービスでは、容量が上限に達した場合、古いデータから自動的に上書きされる仕組みになっています。必要なデータが消えてしまわないよう、保存期間の設定には注意が必要です。容量の目安について、サービス提供事業者に相談するのも良いでしょう。

保存期間

必要なストレージ容量(目安)

7日間

約100GB ~ 300GB

14日間

約200GB ~ 600GB

30日間

約400GB ~ 1.2TB

90日間

約1.2TB ~ 3.6TB


※上記はあくまで目安です。実際の容量は圧縮方式や映像の内容によって変動します。


セキュリティ対策

映像データをインターネット経由でクラウド上に保存するため、セキュリティ対策は非常に重要です。不正アクセスや情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策は、サービス選定における最重要項目の一つと言えます。


以下の点を確認し、信頼できるサービスを選びましょう。


● 通信の暗号化

カメラからクラウドサーバーへの映像データ送信時、および遠隔アクセス時の通信がSSL/TLSなどによって暗号化されているか。


● データの暗号化

クラウドサーバーに保存されている映像データ自体が暗号化されているか。


● データセンターの信頼性

映像データを保管するデータセンターが、ISMS(ISO 27001)認証など、信頼性の高いセキュリティ基準を満たしているか。物理的なセキュリティ対策(入退室管理、監視体制など)も重要です。


● アクセス権限管理

ユーザーごとに閲覧・操作権限を細かく設定できるか。不要なアクセスを防ぐ仕組みがあるか。


● 二段階認証

ログイン時にID/パスワードに加えて、別の認証要素(SMS認証、認証アプリなど)を要求する二段階認証に対応しているか。


● サービス提供事業者の信頼性

セキュリティに関する実績や体制、プライバシーポリシーなどを確認し、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。


これらのセキュリティ対策が不十分なサービスを利用すると、機密性の高い映像データが外部に漏洩したり、システムが乗っ取られたりするリスクがあります。サービス提供事業者のウェブサイトや資料で、セキュリティ対策について詳しく確認しましょう。


価格

防犯カメラクラウドサービスの価格体系は、主に「初期費用」と「月額費用」で構成されます。


● 初期費用

カメラ本体の購入費用、設置工事費用、初期設定費用などが含まれます。カメラの機種や台数、設置場所の状況によって大きく変動します。


● 月額費用

クラウドサービスの利用料です。一般的に、契約するストレージ容量(または保存期間)、カメラの接続台数、利用できる機能(動体検知、AI分析など)、サポート体制などによって料金プランが異なります。


単に月額料金の安さだけで比較するのではなく、初期費用を含めたトータルコストと、提供されるサービス内容を総合的に評価する必要があります。例えば、月額費用が安くても、必要な機能がオプションで別途費用がかかる場合や、サポート体制が不十分な場合があります。
以下の点を明確にして、複数のサービスを比較検討しましょう。


● 初期費用には何が含まれるか(カメラ代、工事費、設定費など)


● 月額費用には何が含まれるか(ストレージ容量、カメラ台数上限、基本機能、サポート費用など)


● 最低契約期間や解約時の違約金の有無


● 追加オプション(AI機能、特殊カメラなど)の料金


● 支払い方法


複数のサービス提供事業者から見積もりを取り、機能、セキュリティ、サポート体制、そして価格を比較検討することで、自社の予算とニーズに最も合ったサービスを見つけることができます。


比較項目
確認事項
初期費用

カメラ代、設置工事費、設定費の内訳

月額費用

基本料金に含まれるストレージ容量、カメラ台数、保存期間、機能

ストレージ/保存期間

必要な容量・期間を満たしているか、超過時の対応

機能

動体検知、遠隔監視、音声録音、AI分析などの有無と料金

セキュリティ

暗号化、アクセス権限、二段階認証などの対策レベル

サポート体制

問い合わせ方法(電話、メール)、対応時間、オンサイト保守の有無

契約条件

最低契約期間、解約条件、違約金


おすすめの防犯カメラクラウドサービス

業務用防犯カメラのクラウドサービスは、多くの企業から提供されており、それぞれ特徴や強みが異なります。ここでは、日本国内で広く利用され、信頼性の高い代表的なサービスをいくつかご紹介します。自社のニーズや予算、重視するポイントに合わせて最適なサービスを選びましょう。


セコム (SECOM)

セコムは、警備業界のリーディングカンパニーとして、長年にわたり培ってきた防犯・セキュリティに関する高いノウハウと信頼性が最大の強みです。防犯カメラシステムも、そのノウハウを活かした高品質なサービスを提供しています。


サービス概要と特徴

セコムのクラウドサービスは、単なる録画・監視にとどまらず、警備サービスと連携したトータルセキュリティを提供できる点が大きな特徴です。異常発生時には、全国に広がる拠点から警備員が駆けつけるサービス(オプション契約が必要な場合があります)も利用可能で、万が一の際の安心感が非常に高いと言えます。


● 警備会社ならではの堅牢なセキュリティ体制と運用実績
● 必要に応じた緊急対処員による駆けつけ対応(別途契約)
● 独自のデータセンターでの安全な映像データ管理
● オフィス、店舗、工場、倉庫など、多様な業種・施設に対応する豊富なラインナップ
● 入退室管理システムなど、他のセコムサービスとの連携による統合的なセキュリティ管理


主な機能とメリット

高画質なカメラによる鮮明な映像記録はもちろん、クラウド上での録画データの長期保存、スマートフォンやPCからのリアルタイム監視・録画再生が可能です。また、動体検知や侵入検知などの異常検知機能と通知サービスにより、迅速な状況把握をサポートします。


料金プラン(概要)

料金体系は、導入するカメラの台数、種類、録画期間、必要なオプション機能、駆けつけサービスの有無などによってカスタマイズされることが一般的です。初期費用として機器購入費や設置工事費、月額費用としてクラウド利用料や保守費用が発生します。詳細については、個別に見積もりを取得する必要があります。


こんな企業におすすめ

● セキュリティレベルを最重要視する企業
● 有事の際に迅速な駆けつけ対応を必要とする施設(店舗、金融機関など)
● 全国に拠点を持つ企業
● 他のセキュリティ対策と連携させたい企業


ALSOK (アルソック)

ALSOK(綜合警備保障)も、セコムと並ぶ大手警備会社であり、全国規模でのサービス提供と高い信頼性を誇ります。防犯カメラクラウドサービスにおいても、警備サービスと連携した安心・安全を提供しています。


サービス概要と特徴

ALSOKの強みは、長年の警備実績に裏打ちされたセキュリティノウハウと、オンラインセキュリティとの連携による複合的な防犯対策です。防犯カメラシステムだけでなく、サイバーセキュリティ対策なども含めたトータルな提案が可能です。


● 大手警備会社としてのブランド力と安心感
● 24時間365日の監視体制と、必要に応じたガードマン(警備員)による駆けつけサービス(別途契約)
● 多様な業種・業態への豊富な導入実績に基づいた最適なシステム提案
● 防犯設備士などの専門資格を持つスタッフによるコンサルティング
● ネットワークカメラだけでなく、アナログカメラシステムのクラウド化にも対応できる場合がある


主な機能とメリット

クラウドサーバーへの映像データの安全な保存、遠隔地からのライブ映像確認や録画再生機能を提供します。画像解析技術を用いた高度な検知機能(不審行動検知、置き去り検知など)をオプションで追加できるサービスもあり、より高度な監視体制を構築できます。


料金プラン(概要)

セコム同様、顧客のニーズに合わせたカスタマイズプランが中心となります。導入規模や必要な機能、保守内容によって費用は変動するため、詳細なヒアリングの上で見積もりが提示されます。初期費用と月額利用料が必要です。


こんな企業におすすめ

● 警備サービスと一体化した防犯カメラシステムを導入したい企業
● 特定の業種(小売、医療、介護など)に特化したセキュリティ対策を求める企業
● 導入前のコンサルティングから運用サポートまで、手厚いフォローを希望する企業
● 既存のALSOKサービスを利用しており、連携を強化したい企業


Safie (セーフィー)

Safie(セーフィー)は、クラウド録画サービスの分野で国内トップクラスのシェアを持つ企業です。使いやすさと高画質、安定性に定評があり、多くの企業で導入が進んでいます。


サービス概要と特徴

Safieの最大の特徴は、「使いやすさ」と「導入しやすさ」です。直感的に操作できるPC・スマートフォンアプリを提供しており、特別な知識がなくても簡単に遠隔監視や録画映像の確認が可能です。また、フルHD以上の高画質映像を安定してクラウドに保存できる技術力も強みです。


● 鮮明な高画質映像(フルHD~4K対応カメラもラインナップ)
● シンプルで分かりやすい管理画面とアプリ
● 安定したクラウド接続とスムーズな映像再生
● 動体検知、音声検知、プライバシーマスクなどの豊富な標準機能
● API連携による高い拡張性(勤怠管理システムやPOSレジとの連携など)
● 比較的リーズナブルな価格設定のプランも用意


主な機能とメリット

クラウドへの常時録画(7日間~365日以上)、ライブ視聴、複数拠点の一元管理、映像のシェア機能、タイムラプス動画作成などが可能です。オプションで、AIを活用した人数カウント、立ち入り検知、顔認証などの高度な映像解析機能も利用でき、防犯だけでなく業務効率化やマーケティングにも活用できます。


料金プラン(概要)

料金体系は比較的明瞭で、カメラ本体の購入費用(またはレンタル)と、録画期間や機能に応じた月額のクラウド利用料で構成されます。プランが複数用意されており、スモールスタートから大規模導入まで対応可能です。

項目
内容
初期費用

カメラ本体価格(購入またはレンタル)、設置工事費(必要な場合)

月額費用

クラウド録画プラン料金(録画日数、機能により変動。例: 7日間、30日間、90日間、180日間、365日間など)

主な機能

ライブ視聴、録画再生、動体・音声検知、シェア機能、複数拠点管理など

オプション

AI映像解析機能(人数カウント、顔認証など)、API利用など


※上記は一般的な構成例であり、最新の情報や詳細な料金は公式サイトでご確認ください。


こんな企業におすすめ

● 高画質で安定したクラウド録画を重視する企業
● IT担当者がいない、または操作の簡便さを求める企業
● 複数拠点の映像を効率的に管理したい企業
● 将来的に映像データを業務改善やマーケティングに活用したい企業
● コストパフォーマンスを重視する企業


キヤノンマーケティングジャパン

キヤノンマーケティングジャパンは、世界的なカメラメーカーであるキヤノングループの一員として、長年培ってきた高度な映像技術を活かしたネットワークカメラシステムを提供しています。業務用クラウドサービスとしては、「VisualStage(ビジュアルステージ)」などのソリューションを展開しています。


サービス概要と特徴

キヤノンの強みは、なんといってもカメラ本体の性能の高さです。高画質はもちろん、暗所での撮影能力(低照度性能)、広いダイナミックレンジ、光学ズーム機能など、厳しい環境下でも鮮明な映像を捉える技術に優れています。また、映像解析技術にも力を入れており、防犯用途だけでなく、業務効率化やマーケティング分析への活用提案も得意としています。


● 高性能・高画質なネットワークカメラの豊富なラインナップ
● 優れた光学技術による暗所性能や逆光補正能力
● クラウド録画サービス「VisualStage」による安全なデータ管理と遠隔監視
● 顔認証、人数カウント、侵入検知、混雑度検知など高度な映像解析ソリューション
● システムインテグレーターとしての大規模システム構築やカスタマイズ対応力


主な機能とメリット

クラウド上での録画・再生、ライブモニタリングに加え、キヤノン独自の映像エンジンによる高画質化処理や、多彩な映像解析機能を利用できます。これにより、単なる証拠撮影だけでなく、リアルタイムでの異常検知や、収集したデータの分析による業務改善などが可能になります。


料金プラン(概要)

提供されるシステムは、カメラの機種、台数、利用するクラウドサービスのプラン、映像解析機能の有無などによって大きく変動します。比較的高性能なカメラや高度な分析機能を利用する場合は、初期費用・月額費用ともに高めになる傾向があります。導入検討時には、詳細な要件定義と見積もりが必要です。


こんな企業におすすめ

● カメラの画質や性能(特に暗所性能など)を最重要視する企業
● 映像データを積極的に分析し、マーケティングや業務改善に活用したい企業
● 工場、プラント、大規模商業施設など、広範囲または特殊な環境への設置を検討している企業
● 既存の業務システムとの連携など、カスタマイズ性の高いシステムを求める企業


ここで紹介したサービス以外にも、NTT東日本/西日本の「ギガらくカメラ」や、パナソニック コネクトのサービスなど、多くの選択肢があります。各社のウェブサイトや資料を確認し、可能であればデモンストレーションを依頼するなどして、自社の目的や運用体制に最も合ったサービスを選定することが重要です。


防犯カメラクラウドサービス導入時の注意点

業務用防犯カメラにクラウドサービスを導入することは、多くのメリットをもたらしますが、導入を成功させるためにはいくつかの重要な注意点があります。事前にこれらのポイントを確認し、対策を講じることで、スムーズな導入と安定した運用を実現しましょう。


インターネット環境の確認

クラウドサービスは、インターネット接続が不可欠です。カメラで撮影した映像データをクラウドサーバーにアップロードするため、安定した高速なインターネット回線が必要となります。導入前に以下の点を確認しましょう。


回線速度と安定性

防犯カメラの映像データ、特に高画質の映像はデータ量が大きくなります。複数のカメラを同時に接続する場合、十分なアップロード速度(上り速度)が確保されているかを確認する必要があります。速度が不足していると、映像が途切れたり、リアルタイムでの確認が困難になったりする可能性があります。
一般的に推奨される速度の目安は以下の通りですが、利用するカメラの画質、フレームレート、台数、圧縮方式によって必要な帯域幅は変動します。サービス提供事業者に推奨環境を確認することが最も確実です。


項目
目安
備考

カメラ1台あたり (HD画質程度)

上り 1Mbps~3Mbps以上

常時録画か動体検知録画かによっても変動

複数台接続時

(1台あたりの必要速度) × (カメラ台数) + α

他の業務でのネットワーク利用も考慮

回線の種類

光回線(ビジネス向け推奨)

安定性と速度に優れる


また、回線の安定性も非常に重要です。一時的な回線断でも録画が停止してしまうリスクがあるため、信頼性の高いプロバイダーや回線プランを選ぶことをお勧めします。特に、法人向けの回線サービスは、個人向けに比べて安定性やサポート体制が充実している場合があります。


接続方式(有線LAN / Wi-Fi)

カメラとネットワークの接続方法には、主に有線LANとWi-Fiがあります。それぞれの特徴を理解し、設置環境に適した方式を選びましょう。


● 有線LAN接続

  • メリット  通信が安定しており、高速。セキュリティ面でも比較的安全。
  • デメリット 配線工事が必要な場合があり、設置場所が限られることがある。
  • 推奨環境 安定性が最優先される場所、長距離配線が必要な場合。PoE(Power over Ethernet)対応の機器を使えば、LANケーブル1本で電力供給とデータ通信が可能になり、配線を簡略化できます。


● Wi-Fi接続

  • メリット  配線が不要または簡略化でき、設置の自由度が高い。
  • デメリット 電波状況によって通信が不安定になる可能性がある。電波干渉や不正アクセスのリスクが有線LANより高い。
  • 推奨環境 配線工事が難しい場所、一時的な設置。設置場所の電波強度を事前に確認し、WPA3などの強固なセキュリティ設定を行うことが必須です。

可能であれば、安定性とセキュリティの観点から有線LAN接続を推奨します。Wi-Fiを利用する場合は、電波強度やセキュリティ対策に十分注意してください。


帯域幅の確保

防犯カメラのデータ通信は、特に常時録画の場合、継続的にネットワーク帯域を使用します。他の業務(PC利用、オンライン会議、POSシステムなど)で使用する帯域も考慮し、全体のネットワークが遅延しないよう、十分な帯域幅を持つ回線プランを選定するか、必要に応じてネットワーク機器(ルーター、スイッチングハブなど)の性能を見直すことも検討しましょう。QoS(Quality of Service)設定が可能なルーターを使用し、防犯カメラの通信に優先度を設けることも有効な対策です。


設置場所の選定

防犯カメラの効果を最大限に引き出すためには、設置場所の選定が極めて重要です。目的や環境に合わせて最適な場所を選びましょう。


監視目的の明確化と設置場所

まず、「何を監視したいのか」「どのようなリスクを防ぎたいのか」という目的を明確にします。目的によって最適な設置場所は異なります。


● 不正侵入対策

出入口、窓、通用口、フェンス周辺など、侵入経路となりうる場所。


● 内部不正・トラブル抑止

レジ周り、金庫室、バックヤード、作業スペース、共有スペースなど。


● 顧客トラブル・クレーム対応

接客カウンター、店舗フロア全体、駐車場など。


● 従業員の安全確保

危険な作業エリア、一人作業になる場所、駐車場など。


目的を明確にした上で、最も効果的な画角が得られる位置を選定します。高所からの俯瞰撮影、目線の高さでの人物特定、特定の範囲をピンポイントで監視するなど、目的に応じて設置高や角度を調整します。


電源確保と配線ルート

カメラ本体および、場合によってはネットワーク機器(ルーター、ハブなど)の電源確保が必要です。設置したい場所に電源コンセントがあるか、ない場合は電源工事が必要かを確認します。屋外設置の場合は、防水対応の電源ボックスを使用するなど、安全対策も考慮しましょう。
有線LANで接続する場合は、カメラからルーターまでのLANケーブルの配線ルートも確保する必要があります。壁内や天井裏を通す場合は専門業者への依頼が必要になることもあります。配線が露出する場合は、ケーブルカバーを使用するなどして、見た目だけでなく、ケーブルの保護や断線リスクの低減にも配慮しましょう。前述のPoE対応機器を利用すると、電源工事が不要になるケースもあります。


設置場所の環境(防水・防塵性能)

カメラを設置する場所の環境条件(屋内か屋外か、温度、湿度、粉塵の有無など)を確認し、その環境に適した性能を持つカメラを選ぶ必要があります。特に屋外設置の場合は、防水・防塵性能を示すIPコード(例: IP66)を確認し、雨風や砂埃に耐えられるモデルを選定してください。また、西日や強い照明が直接レンズに当たる場所は、逆光で映像が見えにくくなる可能性があるため避けるか、WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能付きのカメラを選ぶなどの対策が必要です。寒冷地や高温になる場所では、動作保証温度範囲も確認しましょう。


死角の確認と複数台設置

一台のカメラで監視できる範囲には限りがあり、必ず死角が生まれます。重要なエリアが死角にならないよう、設置前に画角を確認しましょう。必要に応じて、複数のカメラを設置し、死角をカバーし合うように配置することを検討します。広角レンズ搭載カメラやPTZ(パン・チルト・ズーム)機能付きカメラの導入も有効ですが、それぞれの特性を理解して選ぶことが重要です。


プライバシー保護

防犯カメラの設置・運用にあたっては、従業員や顧客などのプライバシーへの配慮が不可欠です。関連法規やガイドラインを遵守し、適切な運用体制を構築しましょう。


個人情報保護法と関連ガイドライン

防犯カメラの映像に個人が特定できる情報が含まれる場合、その映像は個人情報保護法の対象となります。設置目的を明確にし、その目的の範囲内で利用しなければなりません。経済産業省や総務省などが公表している「カメラ画像利活用ガイドブック」などを参考に、適正な取り扱いを心がけましょう。


主な遵守事項
● 利用目的の特定と通知・公表
● 適正な取得
● 安全管理措置(不正アクセス、漏洩、滅失、毀損の防止)
● 従業員・委託先の監督
● 第三者提供の制限
● 開示、訂正、利用停止等の請求への対応


設置目的の明確化と告知

防犯カメラを設置する目的(例:犯罪抑止、事故・トラブル状況確認、従業員の安全確保など)を具体的に定め、それを内外に明確に告知することが重要です。設置場所には「防犯カメラ作動中」といったステッカーや掲示物を設置し、カメラが設置されていること、及びその目的を周知させましょう。これにより、プライバシーへの懸念を和らげるとともに、犯罪抑止効果も期待できます。


告知方法
対象
ポイント

ステッカー・掲示物

顧客・来訪者・従業員

設置場所付近の見やすい位置に掲示。「防犯カメラ作動中」「設置者名」「設置目的」などを記載

社内規定・通知

従業員

設置目的、撮影範囲、データ管理方法、管理責任者などを明記し、事前に十分な説明を行う。就業規則への記載も検討

プライバシーポリシー

顧客・Webサイト訪問者など

Webサイト等で、カメラ画像の取得・利用に関する方針を記載


従業員・顧客への説明

特に従業員を撮影対象とする場合は、設置前に十分な説明を行い、理解を得ることが望ましいです。設置目的、撮影範囲、録画データの管理方法(誰がアクセスできるのか、保存期間など)を具体的に説明し、プライバシーへの配慮を示すことが、無用なトラブルを避ける上で重要です。顧客に対しても、前述のステッカー掲示等により、カメラの存在と目的を知らせることが求められます。


撮影範囲の配慮

カメラの設置角度や向きを調整し、本来の監視目的達成に必要な範囲を超えて、プライベートな空間(更衣室、トイレ、休憩室など)や隣接する私有地が映り込まないように最大限配慮する必要があります。カメラ機種によっては、特定の範囲を黒塗りなどで隠す「プライバシーマスク機能」が搭載されている場合があるので、活用を検討しましょう。


データアクセス権限の管理

クラウド上に保存された録画データへのアクセス権限は、必要最小限の担当者に限定し、厳格に管理する必要があります。誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかのログを記録・監視する仕組みも重要です。パスワードの定期的な変更、二段階認証の設定など、クラウドサービスが提供するセキュリティ機能を最大限活用し、不正アクセスや情報漏洩のリスクに備えましょう。


防犯カメラクラウドサービス導入事例

防犯カメラクラウドサービスは、様々な業種で導入が進み、業務効率化やセキュリティ強化に貢献しています。ここでは、具体的な導入事例を業種別に詳しくご紹介します。


小売店

多くの顧客が訪れ、商品が陳列される小売店では、万引き防止や従業員の不正抑止、顧客とのトラブル対応などが重要な課題となります。特に複数店舗を展開している場合、各店舗の状況をリアルタイムで把握し、一元管理することは容易ではありませんでした。


導入前の課題

クラウドサービス導入による効果

複数店舗の状況把握が難しく、各店舗に管理者を配置する必要があった

本部から全店舗の映像をリアルタイムで遠隔監視できるようになり、管理コストの削減と迅速な状況把握が可能になった

万引きや内部不正が発生しても、証拠映像の確認や提出に手間がかかっていた

クラウド上に高画質の録画データが自動保存されるため、必要な時にすぐに映像を確認・ダウンロードでき、警察への証拠提出もスムーズになった

レジでのトラブルや顧客からのクレーム発生時に、客観的な事実確認が困難だった

録画映像によって事実確認が容易になり、従業員保護と公正な顧客対応を実現できた。音声録音機能付きカメラなら、より詳細な状況把握が可能

来店客の動線や滞在時間のデータ活用ができていなかった

カメラ映像を分析することで、顧客の行動パターンを把握し、商品陳列やレイアウト改善、マーケティング施策に活用できるようになった(別途分析機能が必要な場合あり)


クラウドサービスを活用することで、小売店は防犯対策の強化だけでなく、店舗運営の効率化やサービス向上にも繋げています。


飲食店

飲食店では、食の安全・安心に対する意識の高まりから、衛生管理の徹底や異物混入対策が不可欠です。また、レジ周りでの金銭授受の確認や、従業員の不正行為抑止、顧客トラブルへの対応も求められます。


導入前の課題

クラウドサービス導入による効果

厨房内の衛生管理状況や調理工程を常に把握することが難しかった

遠隔から厨房の様子をリアルタイムで確認でき、衛生管理指導やHACCP(ハサップ)対応の記録としても活用できるようになった

レジでの不正操作や、食材の不正な持ち出しが疑われるケースがあった

レジ周りやバックヤードを監視することで不正を抑止し、万が一発生した場合でも録画データで事実確認が可能になった

顧客からのクレーム(異物混入、接客態度など)に対し、客観的な証拠がなかった

録画映像により、クレーム内容の事実確認や原因究明が迅速に行えるようになり、誠実な対応と再発防止策の検討に役立った

複数店舗の運営状況(混雑具合、接客レベルなど)を把握し、指示を出すのが大変だった

各店舗の状況を本部やエリアマネージャーが遠隔で把握し、適切な指示やサポートをタイムリーに行えるようになり、店舗運営の均質化と効率化が図れた


飲食店にとって、クラウド防犯カメラは食の安全確保と信頼性向上、そして店舗運営の効率化を同時に実現するための有効なツールとなっています。


オフィス

オフィス環境では、機密情報の漏洩防止、不正アクセス対策、従業員の安全確保、内部不正の抑止などが重要な課題です。特に近年は、働き方の多様化に伴い、オフィスへの入退室管理や、無人となる時間帯のセキュリティ強化が求められています。


導入前の課題

クラウドサービス導入による効果

部外者の侵入や不正な入退室のリスクがあった

エントランスや重要なエリアにカメラを設置し、クラウド上で映像を記録・管理することで、不審者の侵入抑止と事後の状況確認が可能になった。入退室管理システムとの連携も有効。

機密情報が保管されているエリアへのアクセス管理が不十分だった

サーバールームや重要書類保管庫などにカメラを設置し、アクセス権限のない人物の立ち入りを監視・記録することで、情報漏洩リスクを低減できた

従業員の不正行為(備品の持ち出し、機密情報の不正コピーなど)の抑止策が欲しかった

カメラの存在自体が抑止力となり、万が一の際には録画データが客観的な証拠となるため、内部不正の防止に繋がった

夜間や休日のオフィスが無人になる際のセキュリティに不安があった

遠隔からリアルタイムでオフィスの状況を確認でき、異常発生時にはアラート通知を受け取る設定も可能なため、迅速な対応が可能になった

複数拠点を持つ企業の場合、各拠点のセキュリティ管理が煩雑だった

クラウドプラットフォーム上で全拠点のカメラ映像を一元管理でき、管理の手間とコストを大幅に削減できた


オフィスにおけるクラウド防犯カメラは、物理的なセキュリティ強化に加え、情報セキュリティ対策やコンプライアンス遵守の観点からも重要な役割を果たします。


工場・倉庫

広大な敷地を持つ工場や倉庫では、資材や製品の盗難防止、従業員の安全管理、作業工程の確認・改善、不審者の侵入対策などが課題となります。24時間稼働している場合や、夜間に無人となるケースも多く、常時監視体制の構築が求められます。


導入前の課題

クラウドサービス導入による効果

敷地が広く死角も多いため、資材や製品の盗難リスクが高かった

広範囲をカバーできるカメラ(PTZカメラなど)を設置し、クラウドで録画データを長期保存することで、盗難の抑止と発生時の証拠確保が可能になった

危険な作業エリアでの従業員の安全確認や、事故発生時の原因究明が難しかった

作業エリアを遠隔監視することで、危険行動の早期発見や注意喚起が可能になり、事故発生時も録画映像で原因を特定しやすくなった。安全教育にも活用できる

生産ラインの稼働状況や作業工程をリアルタイムで把握し、改善に繋げたい

遠隔から生産ラインの状況を確認し、ボトルネックとなっている工程や非効率な作業を発見しやすくなり、生産性向上に貢献した

夜間や休日の不審者の侵入対策が十分ではなかった

赤外線暗視機能付きカメラや動体検知機能を活用し、夜間でも鮮明な映像を記録。異常検知時に管理者へ通知することで、迅速な対応が可能になった

複数の工場・倉庫の状況を一元的に管理するのが困難だった

クラウドを通じて、どこからでも各拠点のライブ映像や録画データにアクセスでき、効率的な管理体制を構築できた


工場や倉庫では、クラウド防犯カメラはセキュリティ強化、安全管理、生産性向上という複数の目的を達成するための重要なインフラとなっています。


建設現場

建設現場では、資材の盗難防止、不法投棄対策、作業員の安全確認、工事進捗状況の把握などが課題となります。現場は一時的なものであり、電源やネットワーク環境の確保が難しい場合もありますが、クラウドサービスなら柔軟に対応可能です。


導入前の課題

クラウドサービス導入による効果

夜間や休日を狙った資材(電線ケーブル、金属類など)の盗難が多発していた

ソーラーパネル付きのネットワークカメラなどを活用し、電源確保が難しい場所でも監視体制を構築。クラウド録画で証拠を確実に保存し、盗難抑止に繋がった

現場への不法投棄や近隣からの迷惑行為に悩まされていた

現場周辺を監視カメラで記録することで、不法投棄の抑止効果が生まれ、問題発生時の証拠としても活用できた

高所作業や重機作業など、危険を伴う作業の安全管理を徹底したかった

遠隔から現場の作業状況をリアルタイムで確認し、危険な行動があればすぐに注意喚起できるようになった。安全パトロールの補完としても有効

発注者や本社が、現場に行かなくても工事の進捗状況を確認できるようにしたかった

クラウド経由でライブ映像や録画映像を共有することで、関係者がいつでもどこでも進捗状況を確認でき、報告業務の効率化や円滑なコミュニケーションに繋がった。タイムラプス動画作成機能も活用できる


建設現場におけるクラウド防犯カメラは、盗難防止や安全管理といった基本的な役割に加え、現場の可視化による業務効率化や関係者間の情報共有促進にも大きく貢献します。


まとめ

業務用防犯カメラシステムにクラウドサービスを導入することは、遠隔監視によるリアルタイムな状況把握、録画データの効率的な管理、そして多拠点管理の簡素化を実現し、業務効率を大幅に向上させる有効な手段です。コスト削減やメンテナンス負荷の軽減といったメリットがある一方、自社の環境に合ったカメラ性能、ストレージ容量、堅牢なセキュリティ対策を備えたサービスを選ぶことが重要です。導入時はインターネット環境を確認し、プライバシーに配慮した設置を心がけましょう。これらの点を踏まえ、クラウドサービスを活用することで、より安全で効率的な事業運営が期待できます。


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