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監視カメラとAIで人件費を大幅削減!具体的な導入メリットと選び方のポイント




「監視カメラにAIを導入すれば人件費が削減できる?」そんな疑問にお答えします。本記事では、AI監視カメラが従来の運用課題を解決し、人件費削減を実現する仕組みと具体的なメリットを徹底解説。さらに、自社に最適なシステムの選び方、実際の成功事例、導入時の注意点まで詳しくご紹介します。AI活用によるコスト削減と業務効率化の可能性が明確に理解できるはずです。

目次[非表示]

  1. 1.監視カメラとAIで人件費削減できるってホント?
    1. 1.1.従来の監視カメラ運用における人件費の課題
    2. 1.2.AI搭載の監視カメラで解決できること
  2. 2.AI監視カメラ導入による具体的なメリット
    1. 2.1.人件費の大幅削減
    2. 2.2.セキュリティレベルの向上
    3. 2.3.業務効率化・生産性向上
    4. 2.4.リスク管理の強化
  3. 3.AI監視カメラの選び方
    1. 3.1.設置場所・環境に合わせたカメラの種類を選ぶ
      1. 3.1.1.屋内用カメラ
      2. 3.1.2.屋外用カメラ
    2. 3.2.必要なAI機能を選ぶ
      1. 3.2.1.人物検知
      2. 3.2.2.物体検知
      3. 3.2.3.行動分析
    3. 3.3.費用対効果を考慮する
  4. 4.監視カメラとAI導入の成功事例
    1. 4.1.小売店における万引き防止と業務効率化
      1. 4.1.1.課題
      2. 4.1.2.AI監視カメラの活用
      3. 4.1.3.導入効果
    2. 4.2.工場における作業効率向上と安全管理
      1. 4.2.1.課題
      2. 4.2.2.AI監視カメラの活用
      3. 4.2.3.導入効果
    3. 4.3.オフィスビルにおけるセキュリティ強化と入退管理効率化
      1. 4.3.1.課題
      2. 4.3.2.AI監視カメラの活用
      3. 4.3.3.導入効果
  5. 5.導入時の注意点
    1. 5.1.プライバシー保護への配慮
    2. 5.2.法令遵守
    3. 5.3.システムの安定性とセキュリティ
    4. 5.4.導入・運用に関する事項
  6. 6.まとめ

監視カメラとAIで人件費削減できるってホント?

近年、AI技術の目覚ましい進化により、監視カメラの機能は飛躍的に向上しました。単に映像を記録するだけでなく、AIが映像をリアルタイムで解析し、異常検知や状況把握を行うことが可能になっています。この技術革新は、多くの企業が抱える人件費の課題解決に繋がる可能性を秘めており、「監視カメラとAIで本当に人件費を削減できるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

結論から言えば、AI搭載の監視カメラシステムを適切に導入・運用することで、人件費の大幅な削減は十分に可能です。本章では、まず従来の監視カメラ運用における人件費の課題を明らかにし、次にAI搭載カメラがどのようにその課題を解決できるのかを詳しく解説します。


従来の監視カメラ運用における人件費の課題

従来の監視カメラシステムは、その運用において多くの人手を必要とし、それが結果として高額な人件費に繋がっていました。主な課題点を以下に挙げます。


● 常時監視の必要性

セキュリティ確保のためには、24時間365日、複数のカメラ映像を人間が目視で監視し続ける必要がありました。特に、広範囲をカバーする場合や、多数のカメラを設置している場合には、多くの監視員が必要となり、その人件費は膨大なものになります。

● 監視員の雇用と維持コスト

監視員を雇用するには、給与だけでなく、社会保険料、福利厚生費、教育・研修費用など、様々な付随コストが発生します。また、専門知識や経験を持つ人材の確保は容易ではなく、離職率が高い職場では採用コストも継続的に発生します。

● ヒューマンエラーのリスク

人間が長時間にわたってモニター監視を行う場合、集中力の低下による見逃しや、疲労による誤認といったヒューマンエラーのリスクが避けられません。重大なインシデントを見逃してしまう可能性もゼロではなく、監視体制の信頼性に関わる問題でした。

● インシデント発生後の映像確認作業

万が一、事件や事故が発生した場合、録画された膨大な映像の中から証拠となる場面を探し出す作業には、多大な時間と労力を要します。担当者が長時間拘束されることも少なくありませんでした。

● 複数拠点管理の負担

複数の店舗や施設を持つ企業の場合、各拠点に監視員を配置するか、一箇所に集約して監視するにしても、管理体制の構築と維持に大きなコストがかかっていました。


これらの課題をまとめたものが以下の表です。

課題項目
具体的な内容と人件費への影響
常時監視

24時間体制での人員配置が必要となり、交代勤務のための複数名の雇用が必須。深夜・休日手当なども含め、直接的な人件費が最も大きな割合を占める。

雇用維持

給与、賞与、社会保険料、福利厚生費、交通費、制服代、研修費、採用広告費など、雇用に伴う間接的なコストも大きい。

ヒューマンエラー

見逃しや誤報による再確認作業や、インシデント発生時の損害拡大リスクがあり、間接的にコスト増に繋がる可能性がある。

映像確認作業

インシデント発生時、担当者が長時間、本来の業務から離れて映像確認に従事する必要があり、生産性の低下を招く。

複数拠点管理

拠点ごとに人員を配置する場合、単純に拠点数分の人件費が必要。 centralized monitoring の場合でも、管理・指示系統の維持にコストがかかる。


AI搭載の監視カメラで解決できること

AI搭載の監視カメラは、上記のような従来型の課題を解決し、人件費削減に大きく貢献します。AIが人間の目や判断の一部を代替することで、より効率的で信頼性の高い監視体制を構築できるのです。



● AIによる自動監視と異常検知

AIはプログラムされたルールに基づき、24時間365日、休むことなく映像を解析し続けます。侵入、徘徊、転倒、置き去り、暴力行為といった異常事態や特定の行動パターンを検知すると、即座にアラートを発報します。これにより、常時人間が画面を監視する必要がなくなり、監視業務に関わる人員を大幅に削減できます。

● 高精度な検知と誤報の低減

最新のAI技術は、人や物体の認識精度が非常に高く、人間が見逃してしまうような些細な変化も捉えることができます。また、機械学習によって、風で揺れる木の枝や動物の動きなどを異常として誤検知するケースを大幅に減らすことができます。これにより、不要な確認作業が減り、本当に対応が必要な事態に集中できます。

● 効率的な映像検索機能

AIは映像データにメタデータを付与して記録します。これにより、「特定の時間帯に赤い服を着た人物が映った映像」や「特定のナンバープレートの車両が通過した映像」などをキーワードや条件で瞬時に検索することが可能です。インシデント発生後の証拠映像の確認作業にかかる時間を劇的に短縮し、担当者の負担を軽減します。

● 複数カメラ映像の一元的な解析・管理

AIシステムは、多数のカメラからの映像を同時に、かつ効率的に解析・管理することができます。これにより、広範囲や複数拠点の監視も、より少ない人員で、あるいは完全に自動化して行うことが可能になります。

● 予防的なセキュリティ対策への応用

AIは特定の予兆行動(例:店舗での挙動不審な動き、工場での危険な操作)を検知し、インシデントが発生する前に警告を発することも可能です。これにより、事故や犯罪を未然に防ぎ、結果として事後対応にかかるコストや損害を抑制することにも繋がります。


従来の課題とAIによる解決策を比較すると、以下のようになります。

従来の課題
AI搭載カメラによる解決
人件費削減への効果
常時監視の人員コスト

AIによる24時間自動監視・異常検知

監視員の大幅な削減または不要化

ヒューマンエラー
(見逃し・誤報)

高精度なAIによる正確な検知と誤報低減

不要な確認作業の削減、インシデント対応の効率化

膨大な映像確認作業

AIによる高速・高精度な映像検索

映像確認時間の劇的な短縮、担当者の負担軽減

複数拠点管理の負担

AIシステムによる複数カメラの一元管理・解析

管理体制の効率化・省人化


このように、AI搭載の監視カメラは、従来の人手に頼った監視体制が抱えていた多くの課題を解決し、直接的および間接的な人件費の削減に大きく貢献する可能性を秘めているのです。次の章では、これらのメリットについて、さらに具体的に掘り下げていきます。


AI監視カメラ導入による具体的なメリット

従来の監視カメラシステムと比較して、AI搭載の監視カメラシステムは、人件費削減以外にも多くの具体的なメリットをもたらします。ここでは、導入によって得られる主な効果を詳しく解説します。


人件費の大幅削減

AI監視カメラ導入による最大のメリットの一つが、人件費の大幅な削減効果です。従来の監視体制では、警備員が常駐したり、複数のモニターを複数の担当者が常に監視したりする必要があり、多大な人件費が発生していました。
特に、24時間365日の監視体制を維持するためには、交代勤務のための人員確保や、深夜・早朝勤務に伴う割増賃金など、コスト負担は非常に大きくなります。また、警備員の採用、教育、福利厚生など、直接的な給与以外のコストも無視できません。


AI監視カメラシステムは、これらの課題を解決します。AIが映像をリアルタイムで解析し、侵入、不審行動、事故につながる危険な状況などを自動で検知し、必要な場合にのみアラートを発報します。これにより、常時モニターを監視する人員を大幅に削減、あるいは不要にすることが可能です。


例えば、夜間や休日の無人となる時間帯の監視をAIに完全に任せたり、日中でもAIからのアラート対応に特化した少人数の体制を構築したりすることで、警備・監視業務に関わる人件費を劇的に圧縮できます。複数拠点を持つ企業であれば、各拠点に配置していた警備員や監視担当者を集約し、遠隔からAIシステムを通じて一元管理することで、さらなるコスト削減が期待できます。


セキュリティレベルの向上

AI監視カメラは、人件費削減だけでなく、セキュリティレベルそのものを飛躍的に向上させる点も大きなメリットです。人間の目による監視には、どうしても限界があります。長時間の監視による疲労や集中力の低下、見落とし、判断の個人差などが原因で、重要なインシデントを見逃してしまうリスクが常に存在します。


一方、AIは設定された基準に基づき、24時間365日、疲れることなく一定の精度で映像を解析し続けることができます。人間では見逃しがちな些細な変化や、一瞬の出来事も確実に捉え、異常を検知します。
具体的な機能としては、以下のようなものが挙げられます。



● 侵入検知

設定エリアへの人や車両の侵入を検知し、即座に通知します。夜間のオフィスや倉庫、立ち入り禁止区域などの防犯対策に有効です。

● 不審行動検知

うろつき、長時間の滞留、置き去り、暴力行為といった通常とは異なる行動パターンをAIが学習・検知し、事件や事故を未然に防ぐためのアラートを発します。

● 顔認証・人物特定

登録された人物の識別や、特定の服装・特徴を持つ人物の追跡が可能です。迷子の捜索や不審者の特定に役立ちます。

● リアルタイム通知

異常検知時に、メールやスマートフォンのプッシュ通知などで管理者に即座に知らせるため、迅速な初動対応が可能になります。


これらの機能により、犯罪や事故の発生を未然に防ぐ抑止効果が高まるとともに、万が一インシデントが発生した場合でも、迅速かつ的確な対応と、証拠映像による状況把握・原因究明が可能になります。


業務効率化・生産性向上

AI監視カメラの導入は、セキュリティ強化や人件費削減にとどまらず、様々な業務の効率化や生産性向上にも貢献します。従来、監視業務に割かれていた人員や時間を、より付加価値の高いコア業務に振り向けることが可能になります。
また、AIによる映像解析技術は、多様なビジネスシーンで活用できます。例えば、以下のような応用が考えられます。


業種・活用シーン

具体的な活用例
期待される効果
小売業

・顧客動線分析

・属性(年代・性別など)分析

・滞在時間計測

・レジ待ち人数検知

・万引き行動検知

・店舗レイアウト最適化

・商品陳列改善

・効果的な販促活動

・人員配置の最適化

・機会損失の削減

・万引き被害の低減

製造業・工場

・作業員の危険行動(保護具未着用、禁止エリア立入など)検知

・異物混入検知

・製品の外観検査補助

・ライン稼働状況の可視化

・労災事故の防止

・安全意識の向上

・品質管理体制の強化

・不良品率の低減

・生産プロセスの改善

・生産性の向上

物流倉庫

・不審者侵入検知

・荷物の置き去り・持ち去り検知

・フォークリフトなどの重機の危険挙動検知

・作業員の動線分析

・盗難防止

・セキュリティ強化

・事故リスクの低減

・作業プロセスの見直しによる効率化

・ピッキング作業の最適化

オフィス・ビル管理

・入退室管理システムとの連携による不正入室検知

・機密エリアへのアクセス監視

・従業員の長時間離席検知

・会議室の利用状況把握

・セキュリティレベルの向上

・情報漏洩リスクの低減

・内部不正の抑止

・勤怠管理の補助

・ファシリティマネジメントの効率化

建築現場

・危険エリアへの作業員や第三者の立入検知

・重機と作業員の接近警告

・不審者・不審車両の侵入検知

・作業員の安全装備(ヘルメット等)着用確認

・重大事故の未然防止

・現場の安全管理体制の強化

・資材盗難の防止

・遠隔からの現場状況把

業界・活用シーン



このように、AI監視カメラは単なる「監視」ツールではなく、収集した映像データを分析・活用することで、ビジネス上の課題解決や新たな価値創造に貢献する可能性を秘めています。これまで把握が難しかった現場の状況をデータとして可視化し、客観的な根拠に基づいた改善活動を促進します。


リスク管理の強化

企業活動においては、事故、不正、コンプライアンス違反、顧客とのトラブルなど、様々なリスクが存在します。AI監視カメラは、これらの潜在的なリスクを早期に検知し、顕在化を未然に防ぐための強力なツールとなります。


例えば、工場や建設現場における危険な行動やヒヤリハットの瞬間をAIが検知し警告することで、重大な労働災害につながる前に対策を講じることが可能です。また、従業員による内部不正や情報漏洩につながる行動を検知することで、コンプライアンス違反のリスクを低減し、内部統制を強化することができます。


万が一、事故やトラブルが発生した場合でも、AI監視カメラの記録映像は客観的な証拠として極めて有効です。状況を正確に把握し、迅速かつ公正な原因究明と再発防止策の策定に役立ちます。顧客からのクレーム対応においても、事実確認のための重要な資料となり、不当な要求への対応や、企業イメージの保護につながります。


さらに、自然災害発生時などには、遠隔から現地の状況をリアルタイムで確認できるため、迅速な安否確認や被害状況の把握、事業継続計画(BCP)の発動判断などに活用できます。このように、AI監視カメラは、事業継続における様々なリスクに対する備えとしても機能します。


AI監視カメラの選び方

AI監視カメラの導入で人件費削減や業務効率化を実現するためには、自社の目的や環境に最適なシステムを選ぶことが不可欠です。ここでは、AI監視カメラを選ぶ際に押さえておくべき重要なポイントを解説します。


設置場所・環境に合わせたカメラの種類を選ぶ

監視カメラは設置される場所や環境によって求められる性能が大きく異なります。屋内と屋外、それぞれの環境特性を理解し、最適なカメラを選定することが、長期的な安定運用と効果最大化の第一歩となります。


屋内用カメラ

オフィス、店舗、工場、倉庫などの屋内に設置するカメラです。屋外用に比べて防水・防塵性能は重視されませんが、設置場所の状況に応じた形状や機能を選ぶ必要があります。


種類
形状・特徴
主な設置場所
メリット
デメリット
ドーム型カメラ

半球状のカバーで覆われ、レンズの向きが分かりにくい。威圧感が少ない

天井(店舗、オフィス、エントランスなど)

景観を損ねにくい、広範囲を監視しやすい、破壊されにくい

特定の方向を集中監視するには不向きな場合がある

ボックス型カメラ

箱型の形状で、レンズ交換が可能なモデルが多い。存在感がある

天井、壁面(レジ周り、出入口、重要エリアなど)

レンズ選択の自由度が高い、特定の範囲を精密に監視しやすい

威圧感を与えやすい、設置場所によっては目立ちすぎる

PTZカメラ

遠隔操作でカメラの向き(パン・チルト)やズームを調整可能

広い空間(工場、倉庫、イベント会場など)

1台で広範囲をカバーできる、不審な動きを追跡できる

比較的高価、操作が必要、死角ができる可能性がある

360度カメラ

魚眼レンズなどで360度全方位を撮影可能

広い空間の中心(店舗フロア、オフィスなど)

1台で死角なく全体を把握できる

映像が歪む、人物の特定には不向きな場合がある


屋内用カメラを選ぶ際は、上記の形状に加え、設置場所の明るさに応じた暗視性能(赤外線照射距離や最低照度)、必要な画角と解像度、デザイン性なども考慮しましょう。例えば、照度が低い倉庫などでは高性能な赤外線機能が、レジ周りなど細かい部分を確認したい場合は高解像度が求められます。


屋外用カメラ

建物の外壁、駐車場、敷地境界線など、屋外に設置するカメラです。雨風や気温の変化、粉塵などにさらされるため、高い耐久性と環境適応能力が必須となります。


ポイント
内容
指標・機能例

防水・防塵性能

雨や砂埃から内部の精密機器を保護する能力

IP等級(例: IP66、IP67など。数値が高いほど高性能)

耐衝撃性能

いたずらや物理的な破壊に対する強度

IK等級(例: IK10など。数値が高いほど高性能)

動作温度範囲

夏の高温や冬の低温環境でも正常に動作する能力

製品仕様で確認(例: -30℃~60℃)

逆光補正機能

太陽光や照明など強い光源がある場所でも、黒つぶれや白飛びを抑えて鮮明な映像を撮影する機能

WDR(ワイドダイナミックレンジ)、BLC(逆光補正)

夜間監視性能

夜間や暗闇でも対象物を捉える能力

赤外線LED照射距離、スターライト機能(微光下カラー撮影)、最低照度


屋外用カメラの代表的な形状には、威嚇効果も期待できる「バレット型」や、屋内同様に威圧感を抑えつつ広範囲を監視できる「ドーム型(屋外対応)」があります。設置場所(軒下、ポール、壁面など)に適した形状と、専用の取付金具(ブラケット)を選定することも重要です。また、雷対策(サージプロテクション)が施されているかも確認ポイントです。


必要なAI機能を選ぶ

AI監視カメラの真価は、搭載されているAI機能によって発揮されます。人件費削減やセキュリティ強化、業務効率化といった導入目的を明確にし、その達成に必要なAI機能を見極めることが重要です。多機能なほど高価になる傾向があるため、過不足のない機能選定が求められます。


人物検知

映像の中から人物を認識・識別する基本的なAI機能です。単純な動体検知よりも誤報が少なく、効率的な監視を実現します。

   基本的な機能

   ・人物の有無検知  設定エリア内に人がいるかどうかを検知します。

   ・侵入検知     設定した仮想ラインを超えたり、特定のエリアに侵入したりした人物を検知します。

   ・滞留検知     設定したエリアに一定時間以上留まっている人物を検知します。
             (例:不審者の早期発見)

   応用的な機能

   ・顔認証  登録された顔データと照合し、人物を特定します。従業員の勤怠管理や、特定人物(VIPや要注意人物)の来訪検知に活用できます。

   ・属性分析  年齢、性別、服装などを推定します。マーケティング分析(顧客層分析)などに利用されます。

   ・人数カウント(ピープルカウント)  特定エリアの通過人数や滞在人数を計測します。店舗の混雑状況把握やイベント会場の安全管理に役立ちます。



これらの機能を活用することで、警備員の巡回頻度の最適化、入退室管理の自動化、顧客動向の分析による人員配置の最適化など、人件費削減に繋がる様々な効果が期待できます。


物体検知

映像の中から特定の物体を認識・識別する機能です。人以外の対象物を監視する必要がある場合に有効です。

  車両検知
   ・車両の有無、車種、色の識別
   ・ナンバープレート認識(LPR/ANPR)  駐車場管理システムと連携し、入出庫管理の自動化や不正駐車の監視に活用できます。


  特定物体の検知
   ・置き去り検知   一定時間放置されている不審物を検知します。(例:駅や空港でのテロ対策)
   ・持ち去り検知  指定したエリアから物が持ち去られたことを検知します。(例:展示品や重要資材の盗難防止)
   ・危険物検知  特定の危険物(例:刃物など)を識別し、警告を発します。


物体検知AIは、駐車場や駐輪場の無人管理、在庫管理や棚卸しの補助、危険エリアへの立ち入り禁止物の監視など、従来は人手に頼っていた作業の自動化・省力化に貢献します。


行動分析

人物や物体の動きやパターンを分析し、特定の行動や異常事態を検知する高度なAI機能です。

  動線分析・ヒートマップ
   ・人や物の移動経路を可視化し、混雑箇所や人気エリアを特定します。
   ・店舗レイアウトの最適化や、工場内の作業導線改善による生産性向上に繋がります。

  異常行動検知
   ・転倒検知  人が転倒した状態を検知し、通知します。(例:高齢者施設や工場での事故防止)
   ・暴力行為検知(喧嘩検知)  殴る、蹴るなどの激しい動きを検知します。(例:公共施設や夜間店舗でのトラブル早期発見)
   ・うろつき検知  特定エリアを徘徊するような不審な動きを検知します。


  その他
   ・サボタージュ検知  従業員の怠慢行為や不正行為に繋がりうる行動パターンを検知します。
   ・危険エリア侵入検知  設定された危険ゾーンへの人や車両の侵入を検知します。(例:工場内の機械周辺、線路内など)


行動分析AIは、事故やトラブルの未然防止、マーケティング戦略の立案支援、従業員の不正抑止によるリスク管理強化など、より高度なレベルでの人件費削減(損失防止コスト削減)や業務改善に貢献します。
これらのAI機能は、カメラ本体に内蔵されている場合(エッジAI)と、録画装置(NVR)やクラウドサーバーで処理される場合があります。必要な機能、処理能力、ネットワーク環境などを考慮して選択しましょう。


費用対効果を考慮する

AI監視カメラシステムの導入には、初期費用とランニングコストが発生します。単に価格の安さだけで選ぶのではなく、導入によって得られる人件費削減効果やその他のメリット(セキュリティ向上、業務効率化など)と比較し、長期的な視点で費用対効果を判断することが極めて重要です。


費用区分
主な項目

備考



初期費用
カメラ本体費用

AI機能、解像度、耐久性などにより価格は変動

録画装置(NVRサーバー)費用

録画容量、同時接続数、搭載AI機能により変動。クラウド録画の場合は不要な場合も

設置工事費用

配線工事、カメラ取付、ネットワーク設定など。設置場所や台数により変動。PoE対応なら電源工事が不要な場合も

ソフトウェアライセンス費用

特定のAI機能や管理ソフトウェア利用に必要な場合がある



ランニングコスト

電気代

カメラ、録画装置などの消費電力

保守・メンテナンス費用

定期点検、故障時の修理・交換費用。保守契約が必要な場合が多い

クラウドサービス利用料

クラウド録画や特定のAI機能を利用する場合に発生

ソフトウェアアップデート費用

AI機能の精度向上や新機能追加のためのアップデート費用



費用対効果を最大化するためには、以下の点を考慮しましょう。


● 目的の明確化

何を解決・改善するためにAI監視カメラを導入するのかを明確にし、必要な機能とスペックを絞り込みます。

● 複数ベンダー比較

複数のシステムインテグレーターやメーカーから提案・見積もりを取得し、機能、価格、サポート体制、保証内容などを総合的に比較検討します。パナソニック、キヤノン、AXIS、セーフィー(Safie)、アースアイズ(Earth Eyes)など、信頼できるメーカーやサービスを選びましょう。

● 削減効果の試算

導入によって具体的にどれくらいの人件費(監視員、警備員、管理者の工数など)が削減できるか、また、事故防止や不正抑止による損失削減効果はどれくらいか、可能な範囲で試算します。

● スモールスタート

最初から大規模に導入するのではなく、特定のエリアや部門で試験的に導入し、効果を検証してから段階的に展開するアプローチも有効です。

● 補助金・助成金の活用

国や地方自治体が提供するIT導入補助金や、特定の目的(防犯、DX推進など)に対する助成金制度を活用できないか確認しましょう。


導入後の運用体制や、データの活用方法まで見据えて計画を立てることで、投資に見合った、あるいはそれ以上の効果を得ることが可能になります。


監視カメラとAI導入の成功事例

AI搭載の監視カメラシステムは、すでに様々な業種・業態で導入が進み、人件費削減をはじめとする多くの効果を上げています。ここでは、具体的な成功事例をいくつかご紹介し、AI監視カメラがどのように活用され、どのような課題解決に貢献しているのかを詳しく見ていきましょう。


小売店における万引き防止と業務効率化

多くの小売店では、長年にわたり万引き被害や従業員の不正行為が経営上の大きな課題となっていました。従来の監視カメラでは、膨大な録画データの中からインシデント発生時の映像を探し出すのに多大な時間と労力がかかり、抑止効果も限定的でした。

課題

  • 慢性的な万引き被害による損失
  • 従業員による内部不正のリスク
  • 広範囲な店内をカバーするための警備員や監視スタッフの人件費
  • 膨大な録画データから特定のシーンを探す手間と時間
  • 深夜・早朝営業における人員確保と人件費の負担増


AI監視カメラの活用

ある大手コンビニエンスストアチェーンでは、AI搭載の監視カメラシステムを導入しました。このシステムでは、以下のようなAI機能が活用されています。


活用されたAI機能

具体的な内容

不審行動検知

棚の前で長時間うろつく、商品を不自然に隠すような動作、挙動不審な動きなどをAIが自動で検知し、リアルタイムで店員やバックヤードにアラート通知

顔認証システム連携

過去に万引きなどの不正行為を行った人物の顔データを登録し、来店時に自動で検知・警告。常連客の認識にも応用可能

立ち入り禁止エリア侵入検知

バックヤードや倉庫など、従業員以外の立ち入りが禁止されているエリアへの侵入を検知し、即座に通知

属性分析

来店客の年齢層や性別などを分析し、マーケティングデータとして活用(プライバシーに配慮した形での運用)


導入効果

AI監視カメラシステムの導入により、このコンビニエンスストアチェーンでは以下のような顕著な効果が得られました。

● 万引き被害額の大幅な削減に成功。AIによるリアルタイム検知とアラートが抑止力としても機能。

● 警備や監視に関わる人件費の最適化。AIが一次的な監視を行うことで、人間はより重要な業務に集中できるように。

● インシデント発生時の映像確認作業時間が劇的に短縮。AIが該当箇所を特定するため、迅速な対応が可能に。

● 従業員の不正行為に対する抑止効果も向上。

● 店舗運営の安全性向上による従業員の安心感向上。


このように、小売店におけるAI監視カメラの導入は、防犯対策の強化による直接的な損失削減だけでなく、人件費の削減や業務効率化にも大きく貢献しています


工場における作業効率向上と安全管理

製造業の現場である工場では、生産性の向上と従業員の安全確保が常に重要なテーマです。広大な敷地や多数の工程、危険な作業区域など、人手による監視には限界がありました。

課題

  • 生産ラインにおけるヒューマンエラーの防止
  • 危険エリアへの立ち入りや不安全行動の監視
  • 作業員の転倒や急病などの異常事態の早期発見
  • 品質管理のための製品検査の精度向上と効率化
  • 多数の監視員による巡回や目視確認に伴う人件費


AI監視カメラの活用

ある自動車部品メーカーの工場では、生産ラインや倉庫、危険区域などにAI監視カメラを設置し、以下のような目的で活用しています。


活用されたAI機能

具体的な内容

行動分析・骨格検知

作業員の標準作業からの逸脱、禁止区域への立ち入り、転倒などを検知。ヘルメットや安全帯の装着有無も確認

異常検知

設備の異常な振動や煙、火花などを検知し、早期に警告。生産ラインの停止や製品不良を未然に防ぐ

外観検査

カメラで撮影した製品画像をAIが分析し、傷や汚れ、異物混入などの不良品を自動で検出。検査員の負担を軽減し、精度を向上

動線分析

作業員やフォークリフトの動きを分析し、非効率な動線やボトルネックとなっている工程を特定。レイアウト改善や作業手順の見直しに活用

導入効果

この工場では、AI監視カメラの導入によって、以下のような成果を上げています。


● 労災事故の発生件数が減少。危険行動や異常事態の早期発見・対応が可能に。
● 製品の不良品率が低下し、品質が安定。AIによる高精度な外観検査が貢献。
● 作業動線の最適化により、生産性が向上。
● 従来、巡回監視や目視検査に充てていた人員コストを削減し、他の生産的な業務へ再配置。
● 遠隔からの状況把握が可能になり、管理者の負担軽減にも繋がった。


工場におけるAI監視カメラは、安全管理の強化と生産性向上を両立させ、結果として人件費を含むトータルコストの削減に貢献する重要なツールとなっています。


オフィスビルにおけるセキュリティ強化と入退管理効率化

多くの企業が入居する大規模なオフィスビルでは、不審者の侵入防止や機密情報の保護など、高度なセキュリティ対策が求められます。しかし、多数の出入り口やフロアを24時間体制で警備するには、多くの警備員が必要となり、人件費が大きな負担となっていました。

課題

  • 不特定多数の人が出入りすることによるセキュリティリスク
  • 24時間体制での警備に必要な多数の警備員とそれに伴う高額な人件費
  • 入退館時の手続きの煩雑さと待ち時間
  • 機密エリアへの不正アクセスリスク
  • 緊急時(火災、地震など)の状況把握と避難誘導の難しさ


AI監視カメラの活用

都内にある大規模オフィスビルでは、セキュリティレベルの向上と運営コストの削減を目的として、AI監視カメラシステムを導入しました。


活用されたAI機能

具体的な内容

顔認証による入退館管理

事前に登録された従業員の顔情報を基に、ハンズフリーでの入退館を実現。共連れ(登録者以外の不正な入館)も検知

侵入検知・異常行動検知

通用口や非常階段など、通常人の出入りが少ない場所への侵入や、深夜帯の不審な動きを検知し、警備室へ自動通知

人数カウント・混雑状況把握

エレベーターホールや特定のフロアの混雑状況をリアルタイムで把握。避難誘導や設備管理に活用

置き去り検知

ロビーや共用スペースに長時間放置された不審物を検知


導入効果

AI監視カメラシステムの導入により、このオフィスビルでは以下のような効果を実感しています。


● 顔認証によるスムーズな入退館で、受付業務やカードキー管理に関わる人員コストを削減。利便性も向上。
● AIによる24時間監視により、警備員の配置を最適化し、人件費を大幅に削減。警備員はAIからのアラート対応や緊急時の対応に集中。
● セキュリティレベルが向上し、不審者の侵入や不正アクセスを効果的に抑止。
● 収集したデータを分析し、ビル内の人の流れを把握することで、より効率的なビル管理計画の立案が可能に。
● 緊急時にも、リアルタイム映像とAI分析により迅速な状況把握と的確な指示が可能に。


オフィスビルにおけるAI監視カメラは、物理的なセキュリティ強化はもちろんのこと、警備や管理に関わる人件費を削減し、ビル運営全体の効率化と付加価値向上に貢献しています。


これらの事例からもわかるように、AI監視カメラは単なる防犯目的だけでなく、人件費削減、業務効率化、生産性向上、安全管理強化など、多岐にわたる経営課題の解決に貢献する可能性を秘めています。


導入時の注意点

AI監視カメラシステムは、人件費削減やセキュリティ強化に大きな可能性を秘めていますが、その導入と運用にあたってはいくつかの重要な注意点があります。これらの点を十分に理解し、対策を講じなければ、予期せぬトラブルや法的な問題に発展するリスクも否定できません。ここでは、AI監視カメラを導入する際に特に留意すべき事項を詳しく解説します。


プライバシー保護への配慮



AI監視カメラの導入において、プライバシーへの配慮は最も重要な課題の一つです。従業員や顧客、その他施設利用者のプライバシー権を不当に侵害しないよう、細心の注意を払う必要があります。
まず、監視カメラを設置する場所とその目的を明確にし、設置場所にはステッカーや掲示物などでカメラが作動中であることを明示しましょう。これにより、撮影対象となる可能性のある人々に事前に認識してもらうことができます。


撮影範囲についても、監視の目的を達成するために必要最小限の範囲に限定することが求められます。特に、休憩室、更衣室、トイレといったプライベートな空間への設置は、原則として避けるべきです。業務に関係のない場所や、プライバシーへの配慮が特に必要な場所での撮影は、従業員の精神的な負担増大やモチベーション低下につながる恐れがあります。


従業員に対しては、導入前に十分な説明を行い、理解と合意を得るプロセスが不可欠です。なぜAI監視カメラを導入するのか、どのようなデータが収集され、どのように利用されるのか、プライバシー保護のためにどのような対策を講じているのかなどを具体的に説明しましょう。労働組合がある場合には、事前に協議を行うことが望ましいケースもあります。


収集した映像データの管理も極めて重要です。データへのアクセス権限を必要最低限の担当者に限定し、パスワード設定やアクセスログの監視によって不正な閲覧や持ち出し、目的外利用を防止する体制を構築してください。誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを記録・管理することは、内部不正の抑止にもつながります。


法令遵守

AI監視カメラの運用は、個人情報保護法をはじめとする関連法規・ガイドラインを遵守することが絶対条件です。法令違反は、企業の社会的信用の失墜や、罰金・罰則の対象となる可能性があります。
特に注意すべきは個人情報保護法です。カメラ映像に特定の個人が識別できる情報が含まれる場合、それは個人情報に該当します。したがって、以下の点を遵守する必要があります。

● 利用目的の特定と通知・公表

AI監視カメラで取得した映像データをどのような目的で利用するのかを具体的に特定し、それを本人に通知するか、ウェブサイトへの掲載や事業所内での掲示などによって公表しなければなりません。利用目的は、「防犯のため」「業務効率改善のため」といった形で明確に示す必要があります。

● 適正な取得

偽りその他不正の手段によって個人情報を取得してはなりません。カメラ設置の明示などがこれに該当します。

● 安全管理措置

取得した映像データ(個人情報)の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければなりません。これには、組織的、人的、物理的、技術的な安全管理措置が含まれます。

● 第三者提供の制限

原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはなりません。ただし、法令に基づく場合などは例外となります。


以下の表は、AI監視カメラ導入に関連する主な法令やガイドラインです。導入前に内容を確認し、自社の運用体制がこれらに準拠しているかを確認しましょう。


法令・ガイドライン名

主な内容・ポイント

個人情報の保護に関する法律

(個人情報保護法)

個人情報の適正な取り扱いに関する基本的なルール(利用目的の特定、通知・公表、安全管理措置、第三者提供の制限など)を定めています。

AI監視カメラ運用における最も基本的な法的根拠となります

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン

(通則編、仮名加工情報・匿名加工情報編、第三者提供時の確認・記録義務編、外国にある第三者への提供編など)

個人情報保護委員会の定めるガイドラインで、法解釈や具体的な対応方法が示されています。

特に安全管理措置の具体例などが参考になります

カメラ画像利活用ガイドブック

(経済産業省・総務省)

ネットワークカメラ画像の利活用におけるプライバシー・肖像権保護と、利活用のバランスについて解説しています。

具体的なユースケースにおける配慮事項や、同意取得の方法などが記載されており、実務上の参考になります

労働関連法規

従業員を監視対象とする場合、労働契約法や労働基準法における労働者の権利(プライバシー権など)との関係も考慮する必要があります。

過度な監視はパワーハラスメントとみなされるリスクもあります


また、取得した映像データの保存期間についても明確なルールを定め、期間が経過したデータは速やかに、かつ安全な方法で消去する必要があります。不必要に長期間データを保持することは、情報漏洩のリスクを高めることになります。


システムの安定性とセキュリティ


AI監視カメラシステムは高度な技術を利用しているため、その安定稼働とセキュリティ確保が不可欠です。
AIによる分析は100%の精度を保証するものではありません。誤検知(異常がないのに異常と判断する)や検知漏れ(異常があるのに見逃す)のリスクを理解しておく必要があります。特に、検知精度が低いシステムを導入したり、設置環境に適さない設定を行ったりすると、誤報が多発してかえって業務負担が増加したり、本来検知すべき事象を見逃したりする可能性があります。導入前に十分な性能評価を行い、導入後も定期的な精度検証と必要に応じたAIモデルの再学習やチューニングを行うことが重要です。


システムは機械である以上、故障や不具合が発生する可能性はゼロではありません。万が一、カメラ本体、録画装置、ネットワーク機器、あるいはAI分析サーバーなどに障害が発生した場合でも、業務への影響を最小限に抑えるための対応計画を事前に策定しておくべきです。これには、代替手段の確保、データのバックアップ体制、迅速な復旧手順の確立、保守業者との連携などが含まれます。


ネットワークに接続される監視カメラシステムは、常にサイバー攻撃の脅威に晒されています。不正アクセスによる映像データの盗聴、改ざん、削除、あるいはシステム自体を乗っ取られるといったリスクがあります。これらの脅威からシステムを守るために、以下のような多層的なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。


● 強固なパスワード設定と定期的な変更

推測されにくい複雑なパスワードを設定し、初期パスワードは必ず変更します。定期的な変更も推奨されます。

● アクセス制限

不要なポートを閉じ、アクセス可能なIPアドレスを制限します。

● 通信の暗号化

カメラと録画装置、あるいは閲覧端末との間の通信経路をSSL/TLSなどで暗号化します。

● ファームウェアのアップデート

カメラや関連機器のファームウェアを常に最新の状態に保ち、脆弱性を修正します。

● ファイアウォールの設置

不正なアクセスを検知・遮断するためのファイアウォールを設置します。

● セキュリティソフトの導入

録画サーバーや管理用PCには適切なセキュリティソフトを導入します。


システムの導入にあたっては、提供ベンダーの技術力や信頼性、サポート体制を十分に確認することも重要です。導入後の保守契約の内容(対応時間、対応範囲、費用など)を明確にし、万が一のトラブル発生時に迅速かつ適切なサポートを受けられる体制を確保しましょう。


導入・運用に関する事項

AI監視カメラシステムの導入効果を最大化し、スムーズな運用を実現するためには、技術面や法的な側面だけでなく、コストや体制、従業員への配慮といった点も重要になります。


導入コストには、カメラ本体、録画装置、サーバー、ソフトウェアライセンスなどの初期費用に加え、設置工事費も含まれます。さらに、保守費用、電気代、ネットワーク通信費、クラウドサービスを利用する場合はその利用料といったランニングコストも継続的に発生します。これらの総コストを正確に見積もり、人件費削減効果やセキュリティ向上による損失防止効果などと比較して、費用対効果(ROI: Return on Investment)を慎重に評価することが不可欠です。高機能なシステムを導入しても、コストに見合う効果が得られなければ意味がありません。


システムを導入するだけでなく、誰が責任を持って管理・運用するのか、明確な体制とルールを定める必要があります。具体的には、以下のような点を明確にしておきましょう。

  • システムの日常的な監視・操作担当者
  • アラート発生時の対応手順と担当者
  • 録画データの管理責任者(閲覧権限の管理、保存期間の管理、削除の実施など)
  • システムメンテナンスの担当者・スケジュール
  • トラブル発生時の連絡体制と対応手順

これらのルールをまとめた運用マニュアルを作成し、関係者間で共有することが、円滑な運用と責任の所在の明確化につながります。


従業員に対しては、法令遵守の項でも触れた通り、導入目的、監視範囲、プライバシーへの配慮策などを丁寧に説明し、理解と協力を得ることが極めて重要です。「常に監視されている」という印象を与えてしまうと、従業員のストレス増大やモチベーション低下を招き、かえって生産性を損なう可能性があります。導入によるメリット(例:不正抑止による職場環境の改善、業務負担の軽減など)も伝え、従業員の不安や懸念に耳を傾け、真摯に対応する姿勢を示しましょう。質疑応答の機会を設けたり、相談窓口を設置したりすることも有効です。


最後に、AI監視カメラを導入した効果を定期的に測定・評価し、改善につなげるプロセスも重要です。人件費が実際にどの程度削減されたか、セキュリティインシデントが減少したか、業務効率が向上したかなどを具体的なデータに基づいて評価します。期待した効果が得られていない場合は、その原因を分析し、AIのチューニング、運用方法の見直し、追加的な対策などを検討しましょう。


まとめ

AI搭載の監視カメラは、従来の監視業務における人件費の課題を解決し、大幅なコスト削減を実現する有効な手段です。人件費削減だけでなく、高度な画像解析によるセキュリティレベルの向上、異常検知によるリスク管理強化、データ活用による業務効率化など、多くのメリットが期待できます。導入効果を最大限に引き出すためには、設置環境や目的に合ったカメラの種類やAI機能を選び、費用対効果を慎重に検討することが重要です。プライバシー保護や法令遵守にも十分配慮し、自社の課題解決に最適なAI監視カメラシステムの導入を検討しましょう。


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