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太陽光発電施設での銅線盗難対策

近年、太陽光発電施設における銅線の盗難被害が増加しています。銅の価格高騰により、電力ケーブルや接続部の銅線が狙われるケースが多く、一度盗まれると修復費用や発電停止による損害が発生します。そのため、施設のセキュリティを強化し、物理的・技術的防御を組み合わせた対策が不可欠です。

本記事では、太陽光施設での銅線盗難対策について詳しく解説しています。盗難を未然に防ぐために、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.銅線盗難の現状
  2. 2.太陽光発電施設の銅線が盗まれる理由
    1. 2.1.銅線を大量に窃盗できる
    2. 2.2.純度の高い銅線なので高価に取引できる
    3. 2.3.窃盗が発覚しても逃げる時間が十分にある
  3. 3.太陽光発電施設の銅線における具体的な盗難対策
    1. 3.1.物理的防御
    2. 3.2.技術的防御
  4. 4.防犯カメラによって監視を強化する方法
  5. 5.防犯カメラによる監視強化:POLICENET 太陽光発電施設向け防犯カメラサービスの紹介

銅線盗難の現状

近年、太陽光発電施設の銅線が盗まれる被害が相次いでいます。警視庁の発表によると、令和5年の銅線盗難による被害総額は約57億円です。

この背景には、銅価格の高騰や円安が影響しています。 銅の価格上昇により、盗難された銅線が高値で取引されるためです。また、これまで工事現場や太陽光発電施設など人目につきにくい場所での犯行が主流でしたが、最近では漁港や公園、観光施設など生活圏内での被害も報告されています。



例えば、千葉県鴨川市の漁港では、電柱から約1,600mの銅線が盗まれ、被害額は約400万円にも上りました。埼玉県行田市の「古代蓮の里」では、地下に埋設されていた約814mの電線が切断・盗難され、被害額は約350万円に達し、公園内のトイレや照明、自動販売機が使用不能となる被害が発生しました。

関東地方だけでなく、全国的に銅線盗難の件数は増加傾向にあるため、太陽光発電施設では徹底的な対策が不可欠です。


太陽光発電施設の銅線が盗まれる理由

太陽光発電施設での盗難被害が増加している最も大きな理由は、銅価格の高騰による転売です。2021年以降、価格が右肩上がりで上昇しており、2024年には2020年の価格と比較して約2倍となりました。また、太陽光発電施設は人の出入りが基本的に少なく、人の目につきづらい点もターゲットとなる大きな理由です。

銅線を大量に窃盗できる

太陽光発電施設は大規模で、広範囲にわたって大量の銅線が敷設されています。特に送電用ケーブルには長大な銅線が使われており、一度の窃盗で多くの銅線を持ち去ることが可能です。
加えて、施設は広いため監視の目が行き届きにくく、発覚までに時間がかかることが多いです。窃盗団は効率良く盗みを働き、短時間で高額な銅を確保できるため、犯罪の標的となりやすくなっています。

純度の高い銅線なので高価に取引できる

太陽光発電施設に使用される銅線は、電気の送電効率を高めるために高純度のものが用いられています。一般的な家庭用の配線などに比べて不純物が少なく、銅の含有率が高いので、スクラップとしても高価で取引されることが特徴です。
スクラップとは、廃棄される電子機器に含まれる再利用が可能な銅くずを指します。近年の銅の市場価格が高騰したことにより、高純度の銅線は犯罪者にとって大きな利益をもたらす存在です。金属スクラップ業者の中には、盗難品と知らずに買い取ってしまうケースがあり、違法な市場にも多く流通しています。
盗難に遭った銅線は溶かされ、新たな形で市場に流通するので、追跡が難しいのが特徴です。また、電線の被覆がしっかりとしたものほど銅の品質が高く、取り出した後の加工の手間も少なく済みます。他の場所で銅線を盗むより効率性が高い点も、窃盗団のターゲットとなる大きな理由です。

窃盗が発覚しても逃げる時間が十分にある

太陽光発電施設は、広大な土地を確保しやすい山間部に設置されることが多く、これが窃盗犯にとって大きなメリットとなっています。山間部は人の往来が少なく、施設が被害を受けてもすぐに発覚しづらいという特性があるためです。
また、施設の管理者が常駐しているケースはほとんどなく、定期的な巡回も日中に限られます。そのため、夜間や早朝に犯行を行えば、周囲に気づかれる可能性が極めて低くなります。窃盗団は計画的に犯行に及び、事前に逃走経路を確保しておけば、万が一発覚しても迅速に逃げることが可能です。
さらに、山間部の道路は入り組んでおり、監視カメラの設置も都市部に比べて少ないため、犯行後の追跡が難しくなる傾向があります。都会で窃盗するより特定されるリスクが低い点も、太陽光発電所で盗難が多く発生する理由の一つです。
太陽光発電施設の立地条件は犯罪者にとって有利に働く要素が多く、窃盗が後を絶たない原因となっています。対策としては、施設周辺の防犯カメラの強化や、警備体制の見直しが求められています。


太陽光発電施設の銅線における具体的な盗難対策

太陽光発電施設の銅線盗難を防ぐためには、徹底的な対策が不可欠です。下記では、具体的な盗難対策をご紹介します。

物理的防御

フェンスや防犯カメラを設置する

  • 施設周囲に高さ2m以上のフェンスを設置し、侵入を困難にする。
  • フェンスの上部に有刺鉄線やセンサーを取り付け、侵入時に警報が鳴るようにする。
  • 監視カメラを戦略的に配置し、夜間でも鮮明な映像を録画できる高解像度カメラを使用する。
  • 人の動きを検知するAI監視カメラを導入し、不審者を自動的に特定・通報するシステムを構築する。

照明設備を活用する

  • 施設周辺に明るいLED照明を設置し、夜間でも不審者が目立つようにする。
  • 動作感知型のセンサーライトを活用し、不審者の接近時に自動で点灯させる。
  • 監視カメラと連動するスマートライトを導入し、異常時に照明を点滅させて威嚇する。

銅線を埋設する・カバーを使用する

  • 銅線を地中に埋設し、容易に持ち去れないようにする。
  • 銅線をコンクリートや特殊な防護カバーで覆い、切断や盗難を困難にする。
  • 目立たない場所に配線をすることで、犯罪者の目に付きにくくする。

防犯警報システムを導入する

  • 赤外線センサーや振動センサーを設置し、異常な動きを検知すると警報が鳴る仕組みを導入する。
  • 盗難発生時に警備会社や管理者に即時通知が届くシステムを構築する。
  • 一定時間以上の作業が必要な防護カバーを導入し、盗難時に時間がかかるようにする。


技術的防御

銅線に識別可能なタグをつける

  • 特殊な識別タグを銅線に取り付け、所有者を証明できるようにする。
  • 盗難品が市場に流通した場合に識別できるよう、警察や関連機関とデータを共有する。
  • タグにGPSやRFIDを組み込み、位置情報を管理できるようにする。

無線センサーやモーションセンサーを活用する

  • 無線式の振動センサーを銅線や設備に取り付け、異常を検知した際に警報を発する。
  • 人の動きを検知するモーションセンサーを設置し、不審者が近づくと警報を鳴らす。
  • 監視カメラとセンサーを連携させ、異常発生時に自動で録画を開始する仕組みを導入する。

スマートロックシステムを導入する

  • 重要な配電盤や設備にスマートロックを導入し、許可された人のみアクセスできるようにする。
  • 指紋認証や顔認証システムを活用し、不正アクセスを防止する。
  • 一定時間以上開放された場合に警報を鳴らすシステムを組み込む。​​​​​​​

リモート監視システムを活用する

  • スマートフォンやPCからリアルタイムで監視映像を確認できるリモート監視システムを導入する。
  • AIを活用した異常検知機能を搭載し、不審者を自動で特定し通知する。
  • 録画データをクラウドに保存し、証拠として活用できるようにする。


防犯カメラによって監視を強化する方法

現在では技術の進歩に伴い、さまざまな防犯カメラが販売されています。下記では、防犯カメラの特徴について解説します。

A社

A社が代理店を介して販売している防犯カメラは、ネットワークが不要で電源のみで利用できる点が特徴です。主に工事現場での利用を目的としており、遠隔地から工事の進捗や様子を確認する遠隔臨場機能及び工事プロセスを録画して記録する機能が搭載されています。

盗難に対しては事件の記録としての録画機能があるため、防犯カメラが破壊されてもクラウドに録画することでデータを保持できる点がメリットです。しかし、窃盗の検知を行う機能がないので、窃盗抑止の観点では対応力が弱いという課題が残ります。

B社

B社が販売している防犯カメラは、盗難抑止機能を搭載している点が特徴です。盗難抑止機能は、特に太陽光発電施設での利用に特化したサービスとなっています。具体的には、窃盗犯が施設に侵入したことをカメラ映像からAI機能により検知し、音声やフラッシュライトで威嚇することで、犯人を撃退する機能を搭載しています。オプションで、警察への通報代行も可能です。


防犯カメラによる監視強化:POLICENET 太陽光発電施設向け防犯カメラサービスの紹介

株式会社クリューシステムズでは、太陽光発電施設への盗難抑止機能を搭載した防犯カメラサービス「太陽光発電施設盗難監視システム」を2025年の4月から発売します。

盗難抑止機能は、窃盗犯の侵入及び窃盗犯の車到着をAIで検知し、フラッシュライト及び音量の大きな録画音声で撃退する「アクティブディフェンス」機能を搭載したカメラを使用する点が特徴です。

さらには、広域な太陽光発電施設をくまなくカバーすべく複数台のカメラを設置できるシステム構成となっています。一方、防犯カメラに内蔵した「人」や「車」をAIによる検知機能は、検知精度が悪い傾向があり、そのまま警備担当やオーナーに通知する場合、誤報による対応業務の増加が問題になりがちです。

これに対してPOLICENETでは、通知を行う為の高精度なAIを別途搭載した専用の屋外型ユニットを併用し、誤報を極力抑えるシステム構成とした「Dual-AI」を採用しています。警備担当やオーナーに通報が届いたあとは、カメラとスマートフォンアプリで双方向通話が可能で、撃退機能を強化している点が大きな魅力です。
また、カメラはPTZ機能(首振り及びズーム)により、対象の人や車両のナンバーなど高精度で撮影・録画可能なため、警察連携機能での証拠映像として十分な画質を保持できます。

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