
介護施設の在庫管理をAIカメラで効率化|消耗品の補充確認を省力化する方法
介護施設では、利用者へのケアだけでなく、日々さまざまな施設運営業務が発生します。
その一つが、紙おむつや手袋、マスク、衛生用品などの消耗品管理です。
必要な備品を切らさないためには定期的な在庫確認が必要ですが、スタッフが保管庫や各フロアを回り、目視で数量を確認する運用は負担になります。
そこで活用方法の一つとして考えられるのが、カメラとAI映像解析を組み合わせた在庫確認です。
カメラで棚の状態を確認し、AIによる物体検知・画像解析を組み合わせることで、消耗品の減少を把握したり、一定の状態になった際に通知したりする仕組みを構築できる可能性があります。
本記事では、介護施設におけるAIカメラを活用した消耗品管理の仕組みやメリット、導入時のポイントについて解説します。
目次[非表示]
介護施設では「消耗品の管理」も大きな業務
介護施設では、日常的に多くの消耗品を使用します。
例えば、
- 紙おむつ・尿取りパッド
- 使い捨て手袋
- マスク
- ティッシュ・ペーパータオル
- 消毒用品
- 清掃用品
- トイレットペーパー
- 衛生用品
などです。
これらは日々消費されるため、在庫が少なくなれば補充や発注が必要になります。
しかし、現場スタッフが利用者への対応やさまざまな業務を行いながら、保管庫や棚の在庫を定期的に確認することは小さくない負担です。
一方で確認頻度を下げすぎれば、
「必要なタイミングで在庫がない」
という事態が発生する可能性があります。
そのため重要なのは、在庫管理そのものをなくすことではなく、人が毎回確認しなくても、確認が必要なタイミングに気づける仕組みをつくることです。
AIカメラを消耗品管理に活用する仕組み
AIカメラというと、防犯や人物検知をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、AI映像解析の対象は人物だけではありません。
画像認識・物体検知などの技術を利用することで、カメラ映像から特定の物品や棚の状態を解析する用途も考えられます。
例えば、保管庫の棚をカメラで撮影し、
カメラ
↓
AI・エッジAIで映像解析
↓
棚や対象物の状態を判定
↓
設定した条件に達した場合に通知
↓
スタッフが確認・補充
という運用です。
これまで、
スタッフが定期的に棚を見に行く
必要があった業務を、
AIなどが状態変化を検知 → 必要なときにスタッフが確認する
という運用へ変更できる可能性があります。
AIによる在庫確認では何を見るのか
AIを利用した在庫管理には、さまざまな方法があります。
代表的なのが、カメラ映像から対象物を認識する物体検知・画像解析です。
例えば、棚に置かれた消耗品の状態を映像から解析し、
「十分にある」
「少なくなっている」
「補充が必要な状態になっている」
といった判定に利用します。
一定の基準を下回ったと判断した場合に、担当者へ通知する仕組みと組み合わせることも考えられます。
ただし、カメラ映像だけで正確な在庫数量を把握できるかどうかは、対象物や保管方法によって大きく異なります。
商品が重なっている、箱の中に入っている、棚の奥に隠れているといった場合には、映像から正確な個数を判定することが難しくなります。
そのため、AIカメラによる在庫管理では、必ずしも**「正確な個数を数える」ことだけを目的にする必要はありません。**
むしろ、
「棚の残量が一定以下になった」
「いつも置かれている場所から物品がなくなった」
など、補充が必要な状態への気づきを支援する用途から検討すると導入しやすくなります。
介護施設でAIカメラによる在庫管理を活用するメリット

在庫確認のための巡回を減らせる
従来は、スタッフが保管庫へ移動し、棚を確認しなければ在庫状況が分かりません。
複数の保管場所がある施設では、
1階の保管庫 → 2階の備品棚 → 3階の備品棚
といった確認が必要になる場合もあります。
カメラやAIを活用して状態を遠隔確認できれば、すべての場所を毎回巡回する必要性を減らせる可能性があります。
スタッフの仕事をAIにすべて置き換えるのではなく、「確認するための作業」を減らすという考え方です。
「なくなってから気づく」を防ぎやすくなる
消耗品管理で避けたいのが、必要になったときに在庫切れに気づくことです。
一定量まで減った段階で通知する仕組みを構築できれば、
在庫減少
↓
AIなどが状態を検知
↓
スタッフへ通知
↓
在庫確認
↓
補充・発注
という流れをつくることができます。
余裕を持って補充や発注を行うための、早期の気づきを支援する仕組みとして活用できます。
夜間や休日でも状態を確認しやすい
クラウドと組み合わせれば、担当者が保管庫の近くにいなくても、PCやスマートフォンなどからカメラ映像や検知情報を確認できるシステムを構築できます。
「在庫が少ない」という通知が届いた際に、まず映像を確認し、本当に補充が必要なのか判断するといった使い方も考えられます。
AIによる判定だけで業務を完結させるのではなく、
AIによる検知 → 人が映像で確認 → 必要な対応
という運用にすることで、AIの誤検知にも対応しやすくなります。
一台のカメラで複数の対象を確認できる場合がある
センサーを商品ごとに設置する方式とは異なり、カメラの場合は画角内に複数の棚や物品を収めることができます。
設置環境によっては、一台のカメラ映像から複数の対象を解析できる可能性があります。
例えば、
紙おむつ|手袋|マスク|衛生用品
などが整理された棚を一つの画角に収め、対象ごとに状態を確認するといった設計です。
ただし、対象物が重なったり人や物で隠れたりすると解析精度が低下する可能性があるため、AIが認識しやすい棚の配置やカメラの設置位置を考えることも重要になります。
高価なAIカメラが必ず必要とは限らない
AI映像解析を導入するからといって、すべてのカメラをAI内蔵型へ変更しなければならないとは限りません。
システム構成によっては、
一般的なネットワークカメラ
↓
エッジAI機器
↓
クラウド
という構成で映像解析を行う方法があります。
つまり、カメラは映像を撮影し、AI解析は別のエッジ機器などで行うという考え方です。
この方式であれば、設置場所に応じてカメラのサイズやデザイン、性能などを選択しやすくなります。
すでに施設内に監視カメラが設置されている場合には、現在の設備を利用できるか確認することも選択肢になります。
市販の小型カメラを利用する場合の注意点

保管庫などでは、小型のネットワークカメラやWi-Fiカメラを活用できる場合もあります。
配線工事を抑えられる機種もあり、比較的導入しやすいことがメリットです。
ただし、業務用途では**「安いから」という理由だけでカメラを選ぶことはおすすめできません。**
確認したいのは、
- 必要な画質を確保できるか
- AI解析に利用できる映像を取得できるか
- 通信が安定しているか
- セキュリティ対策は十分か
- 長時間運用に耐えられるか
- 故障時のサポートがあるか
- ファームウェア更新が提供されているか
といった点です。
特にネットワークへ接続するカメラでは、ID・パスワード管理や通信経路、アップデートなどのセキュリティ対策も確認しましょう。
AIカメラだけで在庫管理を完結させないことも重要
AIカメラは便利ですが、すべての在庫管理に適しているわけではありません。
例えば、正確な数量管理が必要な物品については、
- 在庫管理システム
- バーコード
- RFID
- 発注管理システム
などの方が適している場合があります。
特に医薬品など厳格な管理が必要なものについては、施設の管理ルールや関連する法令・ガイドライン等に沿った適切な方法で管理する必要があります。
AIカメラは、既存の在庫管理をすべて置き換えるものではなく、
「棚の状態を確認する」
「補充が必要な状態に気づく」
といった作業を補助する仕組みとして考えることがポイントです。
POLICENETならカメラ+エッジAI+クラウドを組み合わせた運用も検討可能
POLICENETでは、カメラ・エッジAI・クラウドなどを組み合わせ、施設の環境や目的に合わせた監視システムを検討できます。
介護施設では、防犯カメラを一つの目的だけで利用するのではなく、
利用者の見守り
出入口の監視
施設内の安全管理
保管庫などの監視
など、施設ごとの課題に合わせて活用方法を検討することが重要です。
また、既設カメラがある場合には、現在の設備構成を確認したうえで、利用できる設備を活かしながらAI・クラウドなどの機能を追加できる可能性もあります。
AIありきで考えるのではなく、
「どの業務に時間がかかっているのか」
「何を自動的に検知できればスタッフの負担を減らせるのか」
からシステムを設計することが、介護施設におけるAI活用のポイントです。
まとめ|AIカメラで「確認する業務」を効率化する
介護施設では、人によるケアが必要な業務が数多くあります。
だからこそ、在庫確認のような周辺業務については、AIやカメラなどの技術を活用して効率化できる余地があります。
カメラとAI映像解析を組み合わせることで、
定期的に人が確認する運用から、必要なタイミングで確認する運用へ
変えられる可能性があります。
ただし、AIカメラだけですべての在庫管理を自動化しようとするのではなく、対象物や施設環境に応じて、在庫管理システムなどと役割を分けることが重要です。
POLICENETでは、既設カメラの活用も含め、施設環境や目的に応じたAI・クラウド・監視カメラシステムを検討できます。
「スタッフの確認業務を減らしたい」「既存のカメラをAI活用できないか」といった段階から、導入方法を検討していくとよいでしょう。
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