
介護施設にAI監視カメラを導入する効果とは?転倒・徘徊・侵入検知など活用方法を解説
介護施設で利用できる監視カメラとその効果 第一回
介護施設では、利用者の安全を守りながら、限られた職員で施設全体を見守る必要があります。
特に、
- 共用スペースでの転倒・うずくまり
- 認知症のある利用者などの離設・徘徊
- 出入口からの不審者の侵入
- 居室での異常
- 夜間など職員が少ない時間帯の見守り
といった場面では、職員だけですべての状況をリアルタイムに把握することは容易ではありません。
そこで活用が広がっているのが、AIを活用した監視カメラ・見守りシステムです。
AIによる映像解析を組み合わせることで、カメラ映像を常に人が確認するのではなく、設定した条件を検知した際に職員へ通知する運用が可能になります。
本記事では、介護施設におけるAI監視カメラの活用方法や導入効果、設置場所ごとの活用例、導入時の注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.介護施設でAI監視カメラが注目される理由
- 2.介護施設でAI監視カメラを活用できる主な場面
- 2.1.1.共用スペースでの転倒・うずくまり検知
- 2.2.2.出入口での離設・徘徊対策
- 2.3.3.バックヤードや保管室への侵入検知
- 2.4.4.居室での見守り支援
- 3.設置場所別|AI監視カメラの活用例
- 4.AIを使うためにすべて「AIカメラ」へ交換する必要はない
- 5.既設の監視カメラを活用できる可能性も
- 6.市販の小型カメラを活用する方法も
- 7.AI監視カメラで職員の負担軽減を支援
- 8.AI監視カメラ導入で重要なプライバシーへの配慮
- 9.エッジAIでプライバシーに配慮した運用も
- 10.POLICENETなら既設カメラを活かしたAI化にも対応
- 11.POLICENETからのコメント
- 12.まとめ
介護施設でAI監視カメラが注目される理由

介護施設では、利用者の安全確保と職員の業務負担軽減を両立することが重要な課題です。
職員が施設内を巡回していても、すべての場所を常時確認することはできません。
例えば共用スペースで利用者が転倒した場合、発見が遅れる可能性があります。また、出入口から利用者が外へ出たことに気づくまで時間がかかるケースも考えられます。
従来の監視カメラは、主に「録画して後から確認する」ことを目的としていました。
一方、AI映像解析を組み合わせることで、
撮影 → AI解析 → 条件を検知 → 職員へ通知 → 状況確認
という流れを構築できます。
つまりAI監視カメラは、事故や異常を完全に防ぐものではなく、職員が異変に気づくための仕組みを増やし、より迅速な確認・対応を支援するツールとして活用できます。
介護施設でAI監視カメラを活用できる主な場面

介護施設では、設置場所や目的によってさまざまなAI機能を活用できます。
代表的な活用方法を見ていきましょう。
1.共用スペースでの転倒・うずくまり検知
食堂や廊下、談話スペースなどでは、多くの利用者が移動します。
AI映像解析を活用することで、人物の姿勢や状態などから、転倒やうずくまりと考えられる状態を検知し、職員へ通知する仕組みを構築できます。
職員が別の場所で業務をしていても、通知をきっかけに状況を確認できるため、異常の早期発見を支援できます。
ただし、転倒検知などの精度は、カメラの設置角度、人物の重なり、家具の配置、明るさなどによって変わります。
実際の設置環境で検証したうえで運用することが重要です。
2.出入口での離設・徘徊対策
介護施設では、利用者が職員の気づかないうちに施設外へ出てしまうことへの対策も重要です。
出入口にAIカメラを設置することで、人物の通過や移動を検知し、必要に応じて職員へ通知する運用が考えられます。
システムによっては、人物検知や顔認証などを組み合わせることで、対象者の確認を支援することも可能です。
また、屋外カメラと連携すれば、施設を出た後の移動方向を映像から確認できる可能性もあります。
従来の「いなくなってから探す」だけではなく、出入口を通過したタイミングで気づく仕組みをつくることがポイントです。
3.バックヤードや保管室への侵入検知
介護施設には、
- 医薬品
- 利用者の個人情報
- 貴重品
- 職員専用の設備
などを管理している場所があります。
こうした場所にAIによる侵入検知を設定すれば、指定エリアへ人物が立ち入った際に通知することができます。
また、映像が記録されていれば、何か問題が発生した際の状況確認にも活用できます。
防犯だけでなく、施設内の安全管理や情報管理を補助する仕組みとしても監視カメラを活用できます。
4.居室での見守り支援
居室における転倒やうずくまりなどの異常を検知する用途も考えられます。
特に夜間は職員数が限られるため、カメラとAIを活用して異変への気づきを支援することは、見守り体制を補完する方法の一つです。
ただし、居室は利用者のプライバシーに深く関わる場所です。
そのため、共用スペース以上に、
- 撮影範囲
- 録画の有無
- 映像保存期間
- 映像を確認できる職員
- 利用目的
- 本人・家族への説明
- 施設内での運用ルール
などを慎重に設計する必要があります。
設置場所別|AI監視カメラの活用例
介護施設で想定される代表的な活用方法を整理すると、次のようになります。
設置場所 | AI・カメラの活用 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
共用スペース | 転倒・うずくまり等の検知 | 異常への早期の気づきを支援 |
廊下 | 人物・移動検知 | 夜間などの見守りを補助 |
出入口 | 人物通過・対象者確認 | 離設・徘徊への気づきを支援 |
屋外 | 人物検知・映像確認 | 施設外へ出た後の状況確認を支援 |
保管室 | エリア侵入検知 | 無許可の立ち入りへの対応 |
居室 | 状態・異常検知 | 転倒などへの気づきを支援 |
重要なのは、カメラを増やすことそのものではありません。
「どの場所で、何に気づきたいのか」から逆算して必要なAI機能を選ぶことが重要です。
AIを使うためにすべて「AIカメラ」へ交換する必要はない
「AIを利用するには、AI機能を搭載した高価なカメラへ交換しなければならない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、AI解析には複数の方式があります。
例えば、カメラ自体ではなく、カメラから取得した映像をエッジAI機器で解析する方式があります。
イメージとしては、
カメラ → エッジAI機器 → AI解析 → 必要な情報をクラウドへ → 職員へ通知
という構成です。
この方式であれば、設備の仕様によっては、市販カメラや既設カメラを活用しながらAI機能を追加できる可能性があります。
既設の監視カメラを活用できる可能性も
すでに施設内に監視カメラが設置されている場合、AI導入を理由にすべてのカメラを交換する必要がないケースもあります。
既設カメラの映像をエッジAI機器へ連携できれば、現在の設備を活用しながらAI解析を追加できます。
これにより、
- 既設カメラを有効活用できる
- 全面交換を避けられる
- 配線工事を抑えられる
- 必要な場所から段階的にAI化できる
といったメリットが期待できます。
ただし、既設カメラの方式やレコーダー、映像品質などによって対応可否は異なるため、事前の設備確認が必要です。
市販の小型カメラを活用する方法も

介護施設では、いかにも「監視カメラ」という外観の機器を設置することに抵抗を感じる場合もあります。
特に居室や共用スペースでは、利用者が圧迫感を感じにくい機器選びも重要です。
設置環境やシステム構成によっては、比較的小型のネットワークカメラなどを利用し、外部のエッジAI機器で映像解析する方法もあります。
これにより、AI機能だけでなく、
設置場所に合ったサイズ・デザインのカメラを選択する
という考え方も可能になります。
ただし、市販のWi-Fiカメラなどを業務用途で利用する場合は、接続方式だけでなく、セキュリティ、耐久性、保守性などを確認する必要があります。
価格だけで選定しないことが重要です。
AI監視カメラで職員の負担軽減を支援
AI監視カメラのメリットは、利用者の安全管理だけではありません。
職員の業務負担を軽減するための補助ツールとしても活用できます。
従来の監視カメラでは、異常がないか人が映像を確認する必要があります。
AIを活用すれば、設定した条件を検知した際に通知する運用ができるため、「すべてを見続ける」から「必要なときに確認する」運用へ変えることができます。
例えば夜間に、
- 出入口を人物が通過した
- 指定エリアへ人物が入った
- 転倒と考えられる状態を検知した
といった場合だけ通知し、職員が状況を確認する仕組みです。
これにより、巡回や見守り業務そのものをなくすのではなく、職員による見守りをAIで補完することができます。
AI監視カメラ導入で重要なプライバシーへの配慮
介護施設におけるカメラ活用では、プライバシーと個人情報への配慮が非常に重要です。
利用者の日常生活が映像として記録される可能性があるため、「安全のためだから」という理由だけで設置するのではなく、必要性とプライバシーのバランスを考える必要があります。
特に、
誰が映像を見ることができるのか
どの場所を撮影するのか
映像をどのくらい保存するのか
何の目的で映像を利用するのか
第三者へ映像を提供する場合のルール
などを明確にしましょう。
また、AI解析についても、必要以上の個人情報を取得・保存しない設計を検討することが大切です。
エッジAIでプライバシーに配慮した運用も
プライバシーへの配慮という点で活用できるのが「エッジAI」です。
エッジAIでは、カメラ映像をすべてクラウドへ送信して解析するのではなく、施設内などカメラに近い場所に設置した機器でAI解析できます。
例えば、
カメラ → エッジAIで解析 → 検知情報のみクラウドへ送信
といった構成も可能です。
用途によっては映像データの外部送信を抑えながら、AIによる検知結果を活用できます。
介護施設のようにプライバシーへの高い配慮が求められる環境では、「AIで何を検知するか」だけでなく「映像データをどのように扱うか」まで含めたシステム設計が重要です。
POLICENETなら既設カメラを活かしたAI化にも対応
POLICENETでは、エッジAIとクラウドを組み合わせ、施設の環境や目的に応じた監視・見守りシステムを構築できます。
既設の監視カメラがある場合には、現在の設備構成を確認し、利用可能な機器を活かしながらAI機能を追加する方法も検討できます。
また、
- 転倒・異常状態の検知
- 人物・侵入検知
- 出入口の監視
- 遠隔からの映像確認
- AI検知時の通知
- エッジAIによる映像解析
など、施設の課題に合わせて必要な機能を組み合わせることができます。
AIありきではなく、「どこで・どのような異常に気づきたいのか」からシステムを設計することが重要です。
POLICENETからのコメント
介護施設にAI監視カメラを導入する目的は、職員をカメラやAIに置き換えることではありません。
人による見守りには、利用者とのコミュニケーションや、その人の普段の様子を踏まえた判断など、AIでは代替できない重要な役割があります。
一方で、職員がすべての場所を24時間同時に確認することはできません。
そこでAIを「もう一つの気づきの仕組み」として活用することで、職員による見守りを補完できます。
利用者の安全とプライバシー、そして職員の働きやすさ。この3つのバランスを考えながら導入することが、介護施設におけるAIカメラ活用のポイントです。
まとめ
介護施設では、AI監視カメラを活用することで、
- 転倒・うずくまりなどへの気づき
- 離設・徘徊への対策
- 不審者や無許可の侵入検知
- 夜間の見守り支援
- 職員の確認業務の効率化
など、さまざまな活用が考えられます。
また、AIを利用するために必ずしもすべてのカメラを交換する必要はなく、既設カメラや設置環境に適したカメラとエッジAIを組み合わせる方法もあります。
重要なのは、AIに見守りを任せるのではなく、AIを使って職員が異変に気づきやすい環境をつくることです。
施設ごとの課題や既存設備、プライバシーへの配慮まで含めてシステムを設計することで、利用者の安全と職員の負担軽減を両立する見守り体制につながります。
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