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踏切のトラブル:その原因と対策を探る

鉄道と道路が交差する踏切は、私たちの生活に欠かせない交通インフラです。
しかし、そこには常に危険が潜んでおり、思わぬトラブルや事故が発生することも少なくありません。
この記事では、踏切で起こるトラブルの原因を探り、その対策について詳しく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.踏切トラブルの現状
    1. 1.1.頻発する遮断棒の破損や立ち往生
    2. 1.2.高齢者や視覚障がい者の踏切事故
  2. 2.トラブルの主な原因を探る
    1. 2.1.判断ミスによる無理な通過
    2. 2.2.長時間の遮断による焦りと無理な行動
    3. 2.3.スマートフォン操作による注意力低下
  3. 3.監視カメラの活用で安全性向上
    1. 3.1.リアルタイム監視で踏切内の異常を即座に察知
    2. 3.2.抑止効果と利用者の意識向上
  4. 4.監視カメラ導入による踏切トラブル対策の具体例

踏切トラブルの現状

頻発する遮断棒の破損や立ち往生

内閣府が公表している令和6年版交通安全白書によれば、令和5年の踏切事故は243件に達しています。
その割合は、歩行者103件・自動車101件・自転車などが32件と、中でも歩行者と自動車を合わせた事故件数が80%を占めています。
踏切事故の原因として多く見られるのが、警報音や遮断機を無視して進入し、立ち往生してしまうケースです。
車両の場合は遮断棒を破壊して突破する行為や、渋滞中に判断を誤って踏切内に侵入してしまう事例も後を絶ちません。


高齢者や視覚障がい者の踏切事故

歩行者と自動車の踏切事故に共通しているのが、高齢者の割合が高いことです。
高齢者、また、視覚障がい者が踏切内で転倒したり、状況をうまく把握できずに渡ろうとして列車と接触する事故も報告されています。
このような状況から、政府や各自治体は、踏切内におけるバリアフリー化を進めています。
その1つがエスコートゾーンの設置です。
エスコートゾーンとは、街中でよく見られる黄色い点字ブロックを、横断歩道や踏切内に導入したものです。
色は黄色ではなく、横断歩道や踏切に合わせ、白色などが使われています。
エスコートゾーンを設置することで、視力の落ちた高齢者や視覚障がい者が、横断歩道や踏切内で方向感覚を失わないよう誘導します。



トラブルの主な原因を探る

判断ミスによる無理な通過

踏切でトラブルが起こる原因として、たびたび見られるのが判断ミスによる無理な通過です。
「まだ間に合う」「先の車も渡っているから大丈夫」といった自己判断が事故の引き金になることがあります。
警報が鳴っているにも関わらず強引に進入して遮断棒に接触し、車が踏切内に閉じ込められる事例も多く発生しています。

長時間の遮断による焦りと無理な行動

特に都市部の踏切では、通過列車の本数が多いため遮断時間が長く、歩行者や自動車が待ちきれずに強引に渡る行為も問題になっています。
国土交通省の令和4年度の調査によれば、ピーク時に1時間あたり40分以上遮断される「開かずの踏切」は、全国に500箇所以上存在しています。
遮断時間の長さが交通渋滞や事故リスクを高めている現状を踏まえると、単なるマナーの問題ではなく、踏切の構造や運用の在り方そのものにも課題が残されています。
現在、「開かずの踏切」は、地下道や高架道路への切り替えといった立体交差化が根本的な解決策とされています。
国や自治体も補助制度を設け、地域の実情に応じた整備を進めています。

スマートフォン操作による注意力低下

近年では、スマートフォンの操作に夢中になった「ながら歩き」や「ながら運転」も、踏切事故の一因となっています。
警報音や遮断機の動きに気づかず踏切に進入し、列車と接触するケースも報告されており、特に若年層の歩行者で増加傾向にあります。


監視カメラの活用で安全性向上

リアルタイム監視で踏切内の異常を即座に察知

近年、全国の踏切では監視カメラの設置が進んでいます。
これらのカメラは、踏切での不正侵入などの異常、遮断棒の破壊といった危険行為を即座に検知し、鉄道会社や警備員がリアルタイムで状況を把握できるようになっています。
また、監視カメラの映像の多くは録画されており、トラブル発生後の原因究明や再発防止策の検討にも役立っています。

抑止効果と利用者の意識向上

踏切に監視カメラの存在そのものが、危険行為に対する抑止力となっています。
効果が期待されているのは、「見られている」という意識が働くことで、利用者のルール遵守への意識が高まり、安全な行動を促すことです。
鉄道会社によっては、監視カメラの映像を分析し、特に危険な行動が多い時間帯や曜日を把握して重点的な警備や放送案内を強化するなど、データを活用した予防策にもつなげています。


監視カメラ導入による踏切トラブル対策の具体例

西武鉄道では、AIや3D画像解析を用いた踏切の異常検知システムを2022年から運用しています。
このシステムにより、従来は自動車にのみ対応していた検知を、人に対しても行えるようになりました。
例えば踏切内に取り残された人を監視カメラで検知し、列車の緊急停止などの対応が可能です。

また、近畿日本鉄道は、2025年4月より一部の踏切にて、AIによる画像解析を活用した踏切道歩行者見守りシステムの実証実験を開始しました。
このシステムでは、踏切に設置した監視カメラの映像をAIが解析し、押ボタン式踏切支障報知装置、または非常通報装置を動作させることで、迅速に列車や関係部署に危険リスクを知らせることが可能です。

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